企業がソーシャルメディア上で顧客サポートをするメリットは4つある

鳴海淳義(編集部)2011年02月28日 19時27分

 Twitterなどのソーシャルメディア上のやり取りを管理し、CRMとして使えるようにするためのサービス「kizna」のパブリックベータ版が3月31日公開される。

 kiznaは“ソーシャルメディア対応CRM”とも言うべきTwitterクライアントだ。Twitter上の会話ログを記録し、返信、メッセージを一括して時系列に並べることで、効率的な顧客管理を実現する。

きずな代表取締役の中村仁氏きずな代表取締役の中村仁氏

 きずな代表取締役の中村仁氏は、飲食店「豚組」なども経営している。kiznaは豚組で実際に予約管理や顧客対応にTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアを活用してきた経験から生まれたという。中村氏によれば、企業がソーシャルメディアを使って顧客サポートをすることには以下の4つのメリットがあるという。

  • 問い合わせしてくる顧客のお行儀がよい
    ソーシャルメディアは周りの人が見ている開けた場であるため、自分の言動に気をつける傾向にある。電話の時代にいたモンスタークレーマーが出にくい。豚組ではTwitter経由の予約は、キャンセル率がゼロだったという。
  • 企業の評価が高まりやすい
    顧客の要望にうまく対応すると周りのユーザーからも評価される。電話だと話し相手にしか好印象を与えられないが、Twitterでは多くの人が見ている。
  • 顧客同士でサポートし合ってくれる
    店員が手一杯で顧客からの問い合わせに対応できていないときに、それを見ていたほかの顧客が答えてくれる。「豚組ってどんな店?」とTwitterでつぶやいていた人に、Twitterの一般ユーザーがリンク付きでお店の紹介をしてくれたことがあったという。
  • 対応内容を共有しやすい
    お店には同じような問い合わせが電話で何本も来る。ソーシャルメディアではお店と顧客のやり取りをほかの人も見ているので、聞かなくてもわかるという。

 このような顧客対応を繰り返すことで、顧客の満足度を高めるだけではなく、企業のファンが生まれ、そしてそれが売上増につながると中村氏は述べる。中村氏はこうした一連のやり取りをサポートするkiznaを「ソーシャルCRM」と定義する。

 ソーシャルCRMに欠かせないポイントは主に2点。「傾聴」と「対話」だ。傾聴とは、製品やサービスに対する顧客の感想、要望、不満などを、検索で拾い上げること。対話は傾聴で見つけ出した顧客を積極的にサポートし、ロイヤルカスタマーを増やすことである。

 Twitter関連では傾聴に利用できるモニタリングツールは多くそろっているが、対話に踏み込んだツールはまだ少ない。kiznaはそうしたニーズに応え、ソーシャルメディアでの対話を支援するサービスとして売りだしていくという。

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