プロジェクターを使う際には、大きなフォントを使うようにする。18ポイントより小さい文字を使ってはならない。問題は傍注や詳細情報を書き込む場合だ。細かい図表は読みにくくもある。この問題を常に念頭に置き、必要に応じて対応すること。
プレゼンテーションでは、「この図は、・・・についての話をまとめたものです」などと言うことが多い。このような言い方は、視覚障害者に対しては意味がない。図は使ってもいいが、その図について説明すべきだ。「この食物ピラミッドは・・・」と言う方が、「この図は・・・」と言うよりもずっと説明的だ。このような修飾表現を発表に組み込んでいくことは簡単だ。洞察力と配慮を少し働かせればいい。
プレゼンテーションに手話通訳者が付く場合は、事前に知らされることが多い。しかし、聴衆のために手話通訳者や要約筆記者が付く珍しいケースでは、彼らの存在に気を取られないように注意すること。普段通りにプレゼンテーションをすればよい。手話通訳者に対して話し始めてはならない。聴衆全体に話しかけるようにすること。障害者がいるかどうかに関わらず、プレゼンテーションでは常に聴衆全体に語りかけなくてはならない。また、ペースが速くなりすぎないようにし、画面を読み上げるのは避けること。
聴衆から質問や発言があった場合には、聴衆に向けてそれを繰り返すこと。聴覚障害者は質問を聞きとれない場合がある。実際、質問やコメントを聞き取れるのは、発言者の近くに座っている人だけだ。このルールは、どんなプレゼンテーションでも役に立つ。また、発語障害者を恐れないようにすべきだ。もし発言が聞き取れなければ、質問を繰り返すよう頼むこと。多くの人は、誤解されるよりも発言を繰り返すことを選ぶ。
全員が自分のプレゼンテーションを見たり聞いたりできると決めつけてはならない。プレゼンテーションの冒頭で、見えなかったり聞こえなかったりする人がいないか、確認するといい。プレゼンテーションを続ける前に、必要ならば聴衆が移動できるようにする。
自発的に実験台になってくれる人を2人募って、1人には目隠しを、もう1人には耳当てか耳栓をしてもらう。プレゼンテーションを一通り行い、少しでも分からないところがあれば止めてもらうようにする。そして分からないところがなくなるまで、プレゼンテーションを作り直す。この方法はやり過ぎのように見えるかもしれないし、実際、ほとんどの人にとってはおそらくやり過ぎだろう。しかし、一般聴衆を相手にするのであれば、十分に備えておいた方がいい。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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