ディー・エヌ・エー(DeNA)は2月1日、2011年3月期第3四半期(2010年10月1日〜12月31日)の連結業績を発表した。売上高は294億9400万円(前年同期比153%増)、営業利益は147億4500万円(同182%増)、経常利益は147億8300万円(同180%増)、純利益は81億6200万円(同173%増)だった。
5四半期連続で過去最高の売上高と営業利益を達成した。貢献したのは、今期もソーシャルゲームのアイテム課金などに代表されるソーシャルメディア事業。売上高294億9400万円のうち、254億1100万円をこの事業が占めた。
運営するソーシャルネットワーキングサービス(SNS)「モバゲータウン」は12月時点の会員数が2448万人だった。テレビコマーシャルや大人をターゲットとしたゲームコンテンツなどを投入したことで30代以上の新規ユーザーが増加し、年齢構成は10代が22%、20代が39%、30代以上が39%となった。
10月にはPCインターネット向けにSNS「Yahoo!モバゲー」を開始した。1月3日までに201万人のユーザーを獲得し、こちらでも30代以上のユーザーが57%と思惑通りの年齢構成を実現している。ユーザー1人あたりの収益(ARPU)は、モバゲータウンでソーシャルゲームを開始したときと比べて遜色ないという。DeNA代表取締役社長兼CEOの南場智子氏は「あとはとにかくユーザー数を拡大すれば収益は伸びていくと確信している」と話す。
これらのSNSで提供するソーシャルゲームは、サードパーティーが開発するオープンゲーム、自社開発の内製ゲームともに好調だった。オープンゲームの提供パートナー数は309社、タイトル数は764となっている(どちらも1月25日時点)。ゲームから遠ざかっている人を呼び込むために、今冬から今春にかけて「はじめの一歩」「ヱヴァンゲリヲン」「ルパン三世」「ガンダム」「シェンムー」など有名タイトルをそろえている。
第3四半期は米国ngmocoの買収、サムスン電子との中期戦略的提携など、モバゲータウンの国際展開に関する大きな動きがあった。10月に開始したYahoo!モバゲーに加え、12月にはiPhoneとAndroid端末のブラウザ版「モバゲータウン for Smartphone」もリリースするなどデバイス展開も強化。モバゲータウンはクロスボーダー(国際展開)、クロスデバイス(複数機器への対応)の推進が命題となっている。
2011年はngmocoによる世界統一プラットフォーム「mobage」の展開、ゲーム開発エンジン「ngCore」によるゲーム提供、サムスンが開発するAndroid端末へのmobage搭載など、さまざまな計画を実行に移す予定だ。
「スマートフォンの普及は思ったより早い感触がある。スマートフォン戦略をグローバルでどれだけスピーディーに展開できるかが大きな課題になるだろう。2011年は我々の将来を大きく左右する年になる。これまで以上にグローバルのDeNAグループで一致団結して取り組んでいきたい。」(南場氏)
2011年3月期通期連結業績は売上高1130億円、営業利益555億円、経常利益553億円、純利益307億円を見込んでいる。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」