IT部門の価値を再認識してもらう--時間もお金もかけない、簡単な社内アピール法 - (page 2)

文:Patrick Gray (Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子2011年01月18日 08時00分

創造的牽引者となる

 テクノロジは、特にコンシューマーの世界において、かつてないほどのスピードで変化している。新たなガジェットやテクノロジがメディアで採り上げられるたびに廊下で呼び止められて質問されたり、意見を求められたりしたという経験を持つ人も多いはずだ。このため「廊下で呼び止められる」ような場当たり的な機会を待つのではなく、IT部門による最新の成果を伝えたり、現在のテクノロジトレンドを取り上げた簡単なニュースレターを発行してみてはどうだろうか。最新のモバイルテクノロジを追いかけている若い部員に命じて、Android端末が社内にもたらす影響や、iPadを生産性ツールとして使うためのアプリケーションについて執筆させるのもよいだろう。あなたがCIOであるにもかかわらず、こういったことを実施していないのであれば、会社の幹部は自らの子供や、IT部門以外で働く社員からこの種の情報を得ようとするかもしれない。そうなれば、IT部門はトレンドに敏感な部門ではなく、時代遅れの恐竜のような存在だと思われてしまうことになるだろう。

 IT部門でニュースレターを発行するといっても、グラフィックに凝った10ページにも及ぶ力作を発行する必要はない。4〜5段落からなる簡単なものを、少数の社員に電子メールで送るところから始めればよいのである。要するに、読者が気にしていることに関する情報を、形式張らないかたちで提供するのが一番なのだ。信頼できる社員数人に対して、どのようなテクノロジを追いかけているのかや、どういったことについて学びたいと思っているのかを尋ねてみるとよい。それらに関する内容と、IT部門による最新の成果について軽く触れた短い記事を組み合わせることで、IT部門はテクノロジに精通した頼りになる部門であるという印象を持ってもらえるようになるはずだ。ニュースレターは、目を通している人がほとんどいない社内向けウェブサイトの中にブログとして埋没させるよりも、昔ながらの電子メールを用いて読者のもとに直接送り届ける方が良いだろう。また、読者を惹き付けるために、博士論文を思わせるような退屈であくびが出るものにならないようにするとともに、出来ればの話だが、控えめに冗談をはさんだり、多少くだけた文体にしておくとよいだろう。

 マーケティングは、IT部門の幹部であるあなたにとって、関心を寄せる対象として最も優先順位の低いものの1つであったかもしれない。しかし、自らの部門をできる限り前面に押し出してアピールすることで、どのような組織であっても(Fortune 100に名を連ねる企業であるか、小企業の5人しかいないIT部門であるかに関係なく)大きな見返りを期待できるのである。本記事で紹介しているような取り組みに毎月4〜5時間を割くことにより、IT部門に対する信頼が高まるとともに、そのイメージも向上し、次回の予算承認プロセスをよりスムーズに進められるようにもなるはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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