ネット上の音声およびビデオチャット分野大手のSkypeは米国時間1月6日、モバイルビデオを専門とするQikを買収すると述べた。
今回の動きにより、携帯電話におけるSkypeの能力が拡大することになる。同社は現在、音声チャット用のアプリケーションを保有しているが、Qikを買収すれば、現時点で「Android」「iPhone」「Symbian」「Blackberry」などで動作するアプリケーションにビデオを提供できるようになる。
Skypeは声明で、「SkypeとQikはともに、豊かでより統合されたエクスペリエンスの提供に尽力するつもりである。世界中の人々がさまざまなプラットフォームにわたってリアルタイムビデオを共有し、その瞬間を保存して後にいつでも視聴できるようにする」と述べた。
携帯電話にビデオチャット用の前面カメラが搭載されるようになり、4Gネットワークが少なくとも理論的にはより高速なデータ転送速度を実現するため、ビデオチャットの重要性はますます高まっている。今週開催されているCESでは、ビデオチャットを対象としたデモが多く披露されている。例えば、GoogleによるAndroidの次期バージョンである「Honeycomb」には、明らかにその機能が組み込まれている。
Appleの「iOS」の新しいバージョンもビデオチャットに対応しているが、Qikにはこのプラットフォーム向けのアプリケーションはない。したがって、Skypeの勢力は強く契約者数も多いが、同社には大きな競合相手も存在することになる。
今回の買収には、Skypeの技術資産を分岐させ、コミュニケーション以外の分野に拡大するという目的もある。
両社は、「Qikの買収により、Skypeの製品ポートフォリオに記録、共有、保存の機能が加わり、ビデオにおけるSkypeの主導力が強化される。またこの買収によってSkypeは、ワイヤレスネットワーク上のビデオ伝送を最適化する、Qikの『Smart Streaming』テクノロジの背後にあるエンジニアリング専門技術を活用することもできるようになる」と述べた。
カリフォルニア州レッドウッドシティを拠点とするQikには60名の従業員がいる。買収条件は明らかにされていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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