KDDIは12月21日、電子書籍配信サービス「LISMO Book Store」を12月25日に提供開始すると発表した。専用の電子書籍端末「biblio Leaf SP02」も同日より関西・沖縄地域で発売する。コンテンツは同社と朝日新聞社、ソニー、凸版印刷の4社が設立したブックリスタから提供を受けたものを中心に2万点でスタート、2011年度中には10万点のラインアップを目指すという。
LISMO Book Storeは、小説や実用書、ビジネス書などの文字主体のコンテンツを中心とした電子書籍ストア。購入手続きは専用電子書籍端末biblio Leaf SP02で行い、閲覧とコンテンツの蓄積は同機上で完結する。
KDDI 新規ビジネス推進本部長の雨宮俊武氏は、「ケータイ電子書籍市場が急激に伸びた背景には、持ち運びの容易さがある。しかし一方では画面が小さい、長い時間読みにくい、バッテリのもちが悪いという指摘もある」として、専用端末の必要性を強調。目にやさしく消費電力量が少ない電子ペーパーを採用した専用端末biblio Leaf SP02を提供することで、専用かつ携帯性が高いポジションを狙うとともに、これまでにない商品性で電子書籍の新たな市場を開拓すると述べた。
LISMO Book Storeのコンセプトとしては、「かんたん」と「読みやすい」、「充実」という3つのキーワードを紹介。3G対応によりいつどこでもコンテンツを購入できること、目にやさしい電子ペーパーを採用していること、ブックリスタの協力によりコンテンツ供給網を確保していることを説明した。
LISMO Book Storeの登録は無料、月額利用料はないが通信料金は別途発生する。コンテンツ購入代金はタイトルにより異なる。決済方法にはauかんたん決済とクレジットカード決済を利用できるが、biblio Leaf SP02のみを利用する場合にはauかんたん決済を選択できない。KDDIでは、LISMO Book Storeのサービス開始にあわせ、同点で取り扱う電子書籍タイトル(一部コンテンツを除く)を通常の半額で販売するキャンペーンを2011年3月末まで実施する。
biblio Leaf SP02は、CDMA 1X WINと無線LANという2つの通信方式に対応。PCとの通信および管理ソフトは必要なく、購入から保存、閲覧まで電子書籍に関するすべての手順を同機1台で完結できる。本体サイズは高さ198mm×幅129mm×厚さ9.8mm。表示装置にはe-Inkの電子ペーパーを採用、サイズは800×600ピクセルの6.0インチ。内蔵メモリは2Gバイト、外部メモリとしてmicroSDおよびmicroSDHCをサポートする。1回の充電で約50冊(1万3000ページ相当)を閲覧できるという。
通信料金は、同機専用の「biblio Leafプラン」が用意される。2年契約の「誰でも割シングル(特定機器)」加入時の月額基本使用料は525円、非加入時は1575円。端末価格はオープンだが、「1万円台半ばと予測している」(雨宮氏)とのこと。販売は関西、沖縄地域で12月25日からスタートし、エリアを順次拡大する。他地域での販売開始日は未定で、決定次第同社ホームページ上で案内するとのこと。同日開催された発表会の質疑応答では、首都圏では2011年1月上旬の発売を予定していることが明かされた。
サービス開始時点で対応する端末はbiblio Leaf SP02のみだが、「KDDIは電子書籍ビジネスに積極的に関わっていく。今後はマルチデバイス対応を進め、Android OS搭載のISシリーズは4月に対応する予定。版元など権利者との調整を進め、将来的には同一ユーザーおよび複数デバイス間でのコンテンツ共有も可能にしたい」(雨宮氏)として、マルチユース/マルチネットワークに対応する方針も明らかにした。
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