InMobiは、2007年にインドで誕生したグローバル展開しているモバイル広告ネットワークだ。インドのバンガロールや英国ロンドン、米国サンフランシスコ、シンガポールに拠点を持ち、約120カ国にモバイル広告を月間210億インプレッション配信している。
そして、日本法人InMobi Japanを2010年4月に設立し、8月から日本でも事業を開始した。スマートフォンを中心にディスプレイ型やテキスト型の広告を配信している。
サービス開始から3カ月が経過し、ビジネスの現状や戦略、見通しなどについて代表取締役社長の天畠秀隆氏と、マネージャービジネスデベロップメントの天野耕太氏に話を聞いた。
天畠氏:広告ネットワークの総インプレッション数はここ1カ月で2倍に伸びています。また、InMobiのグローバル全体としてもこの半年間ぐらいで約50%伸びています。日本はスマートフォンに注力していることもあって、すでに日本のスマートフォン市場の約半分ぐらいのユニークユーザーにリーチできる規模になっていると思います。
天畠氏:何よりも、かつてオーバーチュアにいたメンバーがスタッフなので、お客様と相対でアカウントマネジメントをし、ニーズをくみ取り、かゆいところに手が届くといったような、きめ細やかに対応できるノウハウを既に知っていることが大きいでしょう。実はこうした部分が技術よりも重要で、これが我々の強みのひとつです。
また、広告を掲載するメディアパートナー様という点では、主要な日本のブログやSNSサービスを運営されるパートナー様は我々のネットワークに多数参加して頂いています。そういう意味では、スマートフォンにおけるウェブ系、コミュニティ系のパートナーネットワークを、しかもクローズドのアドネットワークとしてきちんと有しているのはおそらく我々だけだと思います。
さらに、広告主様や掲載メディア様についてはみなさんクオリティの高いお客様だけに特化しています。すべてのお客様と、顔を合わせて実際のニーズを聞いてセールスをしているので、誰が入っているかわからないブラインドネットワークではないのです。このように、誰でも利用できるわけではなく、クローズドにしたというのも順調なスタートを切れた要因のひとつとしては大きかったと思います。オンラインで登録できないアドネットワークって、我々だけなんですよ。
天畠氏:InMobiブランドで日本展開するのは初めてで、たしかに取りかかりは苦労しました。しかし、直接セールスをすることで、本当のニーズがくみ取り易い環境が作れました。広告主様や掲載メディア様の売り上げやクオリティを向上させていくにはこうしたほうがいいなどといったコンサルティングは、直接やっているからこそわかるので、こうした部分は引き続き大切にしていきたい。
天野氏:日本のモバイルは長い歴史が10年以上あるなかで、ある程度モバイルの広告というのは形が決まっています。そうした中で、スマートフォンが新しい市場として始まっていて、広告主をまわってみると、「モバイルの取り組みはあまり考えていなかったけれど、スマートフォンであれば何かちょっとやってみたい」という意見は直接いただくことがあります。まず、直接ご意見を聞いてみたいという部分があった。
また、メディアでは「ページビューを稼いで儲ければいい」というフェーズにあるという企業はどこもなくて、まずサービスとしてスマートフォンで何をやっていくかを模索していくフェーズだという企業が多いです。そうした中で、当然収益を上げなくてはいけないですが、最優先ではないので、サービスをどうするかというのは一緒にディスカッションしながら、進めさせていただいているところですね。一緒に市場を作っていきたいのです。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」