日本では昔から、終身雇用という制度が受け入れられてきた。しかし日本の若い労働者を対象としたある調査では、より良い仕事に就けるのであれば喜んで転職すると回答した人が75%にも上っているという。時代は変わったと言ってもよいだろう。終身雇用を掲げていることで知られていたIBMも、一時解雇はしないというポリシーを変更せざるを得なくなった。Employee Benefit Research Instituteによると、同じ企業に20年以上勤めている従業員の割合は10%に満たないという。
そういうこともあるかもしれない。しかし、最近の流れを見ていると、そういったことはどんどん困難になってきているようだ。Patrick Thibodeau氏によると、IT業界における仕事の満足度はかつてないほど低下しているという。このため、学校教育の延長線上にある幸せを見つけようとIT業界に飛び込んだ人は、現実を目の当たりにして期待を裏切られることになるかもしれない。
長い間働けば働くほど、仕事が嫌になる機会も増えることになる。上司があなたの手柄を横取りしたり、昇進の機会を4〜5回逃したり、同僚に裏切られたり、マネージャーとそりが合わなかったりすることもあるだろう。不幸はただ訪れるのだ。
定年前の仕事が、キャリアをスタートさせた時の仕事と大きく異なっているというケースはかつてないほど増加している。筆者は、TechRepublicの貢献者であるMichael Kassner氏の述べた見解を忘れることができない。同氏は、自らのキャリアにおいて何度も転身を余儀なくされたと述懐している。しかし同氏のケースが特殊であるというわけではない。筆者も含め、ベビーブーム世代の人々も、転身を余儀なくされてきているのだ。
転身を余儀なくされた場合、給与は経験豊かなプロフェッショナルよりも新米技術者のそれに近いものとなるかもしれない。また、失業者の仲間入りをすることになった場合、新たな仕事を見つけたとしても低賃金で我慢せざるを得ないということもあるだろう。キャリアを通じて給与が上がり続けるとは限らないのである。
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