スマートフォンといえば、500万画素クラスのカメラを搭載している機種が多かった。しかし、国内では携帯電話で撮影している姿をよく見かける。携帯電話には高機能なカメラが装備され、手軽にきれいな写真を撮れるからだ。このように国内では、カメラに対するニーズがとても高い。そこで、IS03では、スマートフォンの中では高解像度となる960万画素のCCDカメラを搭載している。
従来のスマートフォンのサイズに収めようと思うと、シャープが持っている既存のカメラモジュールでは800万画素クラスまでしか用意されていなかった。1000万画素クラスになると、カメラモジュールが一回り大きくなって、どうしても厚くなってしまう。そこで、新開発したモジュールを採用したのだ。
デジタルカメラを持っていないシャープにとって、携帯はコンパクトデジタルカメラの役割も果たしている。その分、カメラへのこだわりは強い。IS03のカメラも十分にこだわっている。撮影シーンの認識、段階が切り替えられる笑顔フォーカスはもちろん、半押しでフォーカスをロックする機能まで持たせた。携帯電話のカメラというよりコンパクトデジタルカメラだ。さらに高感度なCCDを採用することで、薄暗い室内での撮影も可能にしている。
カメラ関連のアプリケーションにもこだわり、携帯電話にも搭載する名刺リーダをプリインストールしている。ビジネス用途にも使えるこの機能は、非常に便利だ。
独自の進化をしてきた日本の携帯電話。ワンセグ、赤外線通信など海外の端末には搭載されていない機能をIS03は取り入れている。そのため、通常の携帯電話から乗り換えたとしても、不満は少ない。
ワンセグではアンテナを背面上側に装備。通常の場面ではアンテナを使う必要は少ないが、電波状況が悪い場合でもアンテナ伸ばすことで受信感度が改善できる。まだ試作品だったため縦横の切り替えが少し遅いように思ったが、製品版では改善されるとのことだ。
デコレーションメールは、いままでスマートフォンは独特の操作方法となっていたところ、IS03は携帯電話に準じ、記号を押すと使えるようになっている。しかもカテゴリ別に分かれているので探しやすい。装飾する場合も、テンプレートをプリインストールすることで、そのテンプレートに文字を入れて、色を変えるといったように、携帯電話と同じステップで作成できる。
音楽サービス「LISMO」をはじめ、ランニングサポートアプリ「au Run & Walk」、健康管理アプリ「Karada Manager」など、いままで携帯電話でおなじみのauオリジナル機能も満載だ(一部の機能は後から提供される可能性もある)。
フォントは、「IS01」で好評だったモリサワフォントを搭載。画面上にたくさんの文字が並んでいたとしても、読みやすくなっている。もちろん、ほかのフォントがよければ切り替えればよい。
辞書は、明鏡、ジーニアスなど3冊分を内蔵。発音記号にも対応しているほか、ネットに接続できない状況でも、調べられる。
このように、日本オリジナルの携帯電話の機能を入れることで、いままでスマートフォンが難しいと思っていた人にも適した端末に作り上がっている。使用したのは試作品のため、十分とはいえない部分もあったが、発売された製品版では改善されている部分もあるそうだ。またOSのバージョンアップも2011年には控えており、今後の進化に期待したい。
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