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次世代マルチメディア放送、敗れたKDDIを支える将来へのモチベーション - (page 2)

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 呼びかけ自体について「違和感はない」と語る増田氏。「どちらが選定されたとしても、相手側に参加を呼び掛ける行動はとったはず」(増田氏)。しかし、具体的な方針については「検討中」と明言をさけた。

 特に気にしているのは、方式選定の場においてしきりに指摘してきたエリアカバーの問題。mmbi側は独自の調査手法を用いたシミュレーション結果を示して安定性を主張してきたが「しっかり見極めなければ(参加しても)痛い目をみる可能性がある」と慎重な姿勢を崩していない。

 また、mmbiが提示しているユーザー向け料金体系(300円程度一律)にも疑問を示す。「コンテンツ価値は多種多様。リアルタイムのスポーツであれば1000円単位払っても見たいと思うことがあるだろうし、逆に300円でも高いと感じるコンテンツもある。それらを踏まえ、自分たちはある程度フレキシブルな料金体系を考えていただけに一律制度には不安を感じる」(増田氏)という。

 もうひとつ気になるのが「マルチメディア放送機能をKDDI端末に搭載するのか否か」だろう。これは、公開説明会などの場でNTTドコモ側が「MediaFLOに決まった場合、ドコモとソフトバンクモバイルは端末搭載を見送る」と発言したのが発端だ。これについても「白紙」という増田氏だが「デバイスレベルでのドキュメントが公開されたばかり。しっかり検討した上で判断したい」との意向であった。

 では、ホワイトスペースへ進出しMediaFLOサービスを実施する可能性はあるのか。これには「技術的に難易度が高い」と否定的な見方を示す。全国同帯域で利用できる予定のアナログテレビ周波数帯域と異なり、ホワイトスペースは地域によって周波数がまちまち。運用面、コスト面から考えて現実的ではない、というのが判断材料となっている。

 最後に、受託放送事業者となったmmbiの今後について、改めて占ってもらった。「海外メーカーのスマートフォンが続々と入ってくる中で、いかに対応していくのか。そもそも単純な機能搭載においても『日本独自の規格』として苦戦が予想されるが、さらには認証系、権利保護システムにおいてどこまで対応できるのか、注目している」(増田氏)

 一方、ビジネス性についてはエールを送る。「僕らの主張としても、潜在的なニーズはあると考えていた。有料放送の延長線上で考えると確かに厳しい。が、携帯電話から映像コンテンツに接触するユーザーは現在でも少なからずいる。その多くが気にしているのはパケット代金であって、それを放送によって実質無料化できるメリットは大きい。最初に興味あるコンテンツを提供し、そこから書籍、ゲームなど幅を広げていけば、必ずしも尖鋭的ユーザーにだけ注目されて終わる、というビジネスではない」(増田氏)

 方式決定をめぐる活動を通じ、携帯電話向け放送サービスに関するさまざまなノウハウを蓄積したKDDI。このノウハウを活かす場としてライバルのプラットフォームを選ぶのか、あるいは新たな方向性を模索するのか。「あくまで相手の中身を見て判断する」という増田氏の視線は、“敗者の念”を超えた先にあるようだ。

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