サイバーエージェント、Ameba事業が稼ぎ頭に--今後は大人への訴求、ARPU向上へ、実名SNSも

鳴海淳義(編集部)2010年11月05日 14時37分

 サイバーエージェントが11月4日に2010年9月期(2009年10月〜2010年9月)連結決算を発表した。決算発表会では代表取締役社長CEOの藤田晋氏が自身の肝入りであるAmeba事業の詳細について説明した。

 ブログサービス「アメブロ」や仮想空間サービス「アメーバピグ」などのインターネットサービス群を提供するAmeba事業は前期比27億円の増益で24億8000万円の営業利益を出した。会員数も月間30〜40万人のペースで増加しており、10月末時点で1166万となっている。

サイバーエージェント代表取締役社長CEOの藤田晋氏サイバーエージェント代表取締役社長CEOの藤田晋氏

 「非常に好調に推移している。ようやくFXや広告代理事業など当社の全事業の中で最も稼ぐ事業に変化してきた。Amebaを中心とした企業であると言えるような利益構成になってきた」と藤田氏は話した。

 Amebaのページビュー(PV)は2009年7月に100億を突破。2010年内に倍増の200億PVを目指している。ただ、これまでは売上やユニークユーザー(UU)数を差し置いて、PVを最重要指標としてきたが、2010年9月末からはそれを「来場者数」に置き換えた。

 「これはディズニーランドの1カ月の来場者みたいなもの。デイリーアクティブユーザーを1カ月分合計して出す。今後はPVとともに開示していく。その背景はモバイルゲームが多数リリースされたことでPVが跳ね上がりやすく、過去のブログなどのPVと比較するとわかりづらいため」(藤田氏)

 売上は広告と課金ともに好調だった。Ameba事業の売上高は2010年9月期第4四半期は25億7300万円だったが、そのうち広告が14億700万円、課金が11億6600万円だった。広告の好調の要因はモバイルサイトの純広告とアメーバピグの広告だ。アメーバピグの広告枠はこれまでも引き合いが強かったが、制作リソースが追いつかず、受注を止めていたという。社内の体制が整い、販売を再会したところ、四半期で1億円ほどの売上が見込めるようになったとのこと。

 課金はモバイルゲームが成長をけん引した。8月、9月に立て続けにAmebaモバイル向けの内製ゲームをリリースしたほか、アメーバピグ内で楽しめる釣りゲーム、カジノゲームも好評だったという。

 1ユーザー当たりの月額利用料金(ARPU)は9月時点で、PC版サービスが1455円、モバイル版サービスが1043円だった。直近3カ月で急上昇しており、特にアメーバピグが好調。その大きな要因はカジノゲームと釣りゲームの2つ。これまでアバター、服、アクションが主な課金コンテンツだったアメーバピグに、アイテム課金の幅が広がった。「両タイトルとも運用によって数字を伸ばしていくノウハウを学んだ。それぞれ月に1億円以上を稼げるタイトルになってくるはず。アメーバピグの課金はさらに伸びる可能性がある。第3弾、第4弾のゲームも考えていく」(藤田氏)。新しいゲームは年明けにリリースする予定だ。

 Amebaモバイルはシーエー・モバイル、CyberX、サムザップなどの子会社が多くのゲームを提供することでARPUが伸びたという。「モバイルゲームは内製7タイトルを8、9月に出した。売上は多いもので月5000万円、少ないもので数百万円という段階。イベントを打ったり、機能を追加したりすることで数字を伸ばせることがわかった。来週は個人的には一番期待している『私のホストちゃん』が出る。その後は新ゲームのリリースよりも運用に力を入れる体制に入る」(藤田氏)。

 ARPUを上げるためには幅広い年齢層に使われるサービスを目指す必要がある。藤田氏は11月1日に発表されたディー・エヌ・エー(DeNA)の決算を見て感銘を受けたという。「『大人のモバゲー』というCMを流したら、その通りに30代のユーザーが伸び、課金が伸び、ARPUが伸びた。アメーバピグは10代、20代のユーザーが伸びている。今後は『大人のアメーバピグ』をアピールし、ARPUを上げていこうと思う」(藤田氏)

 スマートフォン対応もAmeba事業部で進めている。アメーバピグのAndroidアプリ版を公開したばかりだが、水面下ではかなりの数のAndroidアプリを制作しているそうだ。AmebaのAndroidアプリ版は11月末か12月にリリースする予定。さらに藤田氏は「流行るかわからないがスマートフォン向けの実名SNSも作っている」と明かした。

 「スマートフォンは我々の業界にとって一番大きな変化。ガラケー向けのサービスも強化するが、同時にスマートフォンにも力を入れる。iPhone、Androidだけでも社内で30ライン以上の新アプリ開発が進んでおり、立て続けにリリースしていく」(藤田氏)

 藤田氏は以前からAmeba事業の累積損失60億円を2年で返すと宣言してきた。本格的な黒字化の1年目である2010年9月期は24億円の利益を出した。2011年9月期は「少なくとも40億円は利益を出す」としており、約束通り2年での赤字帳消しを図る。

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