2010年10月5〜9日にかけ、幕張メッセにおいて、アジア最大級の最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2010」が開催されました。国内・海外合わせ、616の会社・団体が参加し、登録来場者は5日間で18万人を超え、非常に盛り上がったイベントとなりました。今回のNielsen Online Reporterでは、このCEATEC JAPAN 2010に関するインターネット上の口コミを、ニールセン・オンライン(Nielsen Online)が提供するソーシャルメディアリスニングサービス「BuzzMetrics」を用いて分析した結果を紹介いたします。
CEATEC開催期間前後を含めた10月4〜11日の間に、インターネット上のブログ・掲示板では、およそ1000件のCEATECに関する記事が投稿されていました。話題の主流は、「3D元年」と言われる今年の3Dブームを反映し“3Dテレビ”に対する言及が非常に多く、また、Appleを追撃するGoogleのAndroid OS(以下、アンドロイド)を搭載した、“スマートフォン”と“タブレット端末(電子書籍端末含む)”の話題も非常に盛り上がっていました。
3Dテレビ | 31.4% |
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スマートフォン | 23.6% |
タブレット | 12.6% |
企業別にブログ・掲示板の記事数を比較すると、東芝、ソニー、パナソニックの順となっていました。
東芝 | 10.3% |
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ソニー | 8.4% |
パナソニック | 6.6% |
全体的に話題となった3Dテレビの中でも、東芝の“グラスレス 3Dレグザ”については特に大きな話題となっており、専用のメガネが必要だった従来モデルと比べ、メガネをかけずに3D映像を楽しむことができるということでCEATEC開催前から強い関心を集めていました。また、CEATEC開催期間中は、ブースでのパフォーマンスについての好意的なコメントのほか、東芝のブースでは長蛇の列ができ、「数時間の行列になった」「待ち時間が長すぎて断念」など、その盛り上がりの様子がインターネット上でも語られていました。
そのほか、ソニーでは、大画面LED液晶を使っての3D映像や、会場でのパフォーマンスについての口コミが目立ち、パナソニックでは押井守さんが監督をつとめた3D「サイボーグ009」に対する話題が盛り上がっていました。
アンドロイドはスマートフォンとタブレット端末の両方で盛り上がりを見せていました。スマートフォンではNTTドコモの“GALAXY S”、auの“IS03”がAndroid端末として特に大きな話題になっていました。GALAXY SはOSが最新のAndroid2.2ということで注目を集め、同じNTTドコモから発売されているXperiaと比較して、「動きが早い」というコメントが多く見られました。一方、auのIS03は、おサイフ携帯やワンセグなどの通常の携帯電話についている機能を搭載しているため、「現在の携帯電話から移行しやすそう」「思いのほか操作がスムーズだった」などの口コミが見られました。
また、CEATECでは紹介のなかったiPhoneですが、GALAXY S、IS03との比較対象として登場したり、iPhoneをコントローラーとして利用する技術利用などさまざまな場面で話題に上り、全体的にはiPhoneが最も多く言及されていました。
GALAXY S | 9.4% |
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IS03 | 9.0% |
iPhone | 12.1% |
また、アンドロイドを搭載したタブレット端末であるNTTドコモの“GALAXY Tab”やシャープの“GALAPAGOS”も電子書籍端末として大きな話題になっていました。GALAXY Tabについては、「このサイズのタブレット端末であれば持ち運びしやすい」などの意見が見られ、GALAPAGOSは2つのサイズをそろえており、「画面が綺麗」などのコメントが見られました。さらに、こちらもタブレット端末との比較対象としてiPadが登場しており、CEATECで登場したタブレット端末と同じ大きさのiPadが出て欲しいなど、普及の進んでいるアップル製品の人気の高さがうかがわれます。
GALAXY Tab | 8.2% |
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GALAPAGOS | 7.0% |
iPad | 7.7% |
Twitterは同期間中に1万8000件以上がつぶやかれておりました。前述の口コミの傾向は、Twitterを加味しても大きく変化はありませんでしたが、Twitterからの口コミの特徴として、商品や企業に対してのコメントよりも「CEATECに行きたい」「CEATECなう」「CEATECに行けなかった」など、CEATECそのものに対するつぶやきが多くなっていました。全体的にTwitterでは、商品や企業に対するつぶやきの割合が薄まっている一方、リアルタイムな感動やコメントが多く、率直な感想が多く見受けられる傾向もあります。
3Dテレビでは今後の業界の方向性を占うべく各社がそれぞれの技術やパフォーマンスを見せてくれました。今後、実際に商品の販売が開始されることになります。そこでどの技術がスタンダードとして勝ち残っていくのか競争はますます激しくなっていきそうです。また、スマートフォン、タブレット端末については、現在の日本はiPhone、iPadが大きくリードしていますが、各社が発表してきたAndroid端末をはじめ、徐々にAndroidの環境が整いつつあり、今後大きなトレンドの変化がうまれるのか注意深く観察していく必要がありそうです。
(ネットレイティングス アナリスト 中川優)
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