サッとセットしてすらすら書ける--進化したデジタルペン「MVPen EN201」 - (page 2)

保存されたノートの整理

 ユニット本体に保存されたノートデータを取り出すには、専用ソフトウェアの「ノートテーカー(Note Taker)」(Windows版とMac版)を使用する。その他の付属ソフトウェアは、「My Script」(Windows版のみ)と「Photo Sketcher」(Windows版のみ)。が用意されている。あらかじめノートテーカーがインストールされているPCに、MVPenのユニット本体をUSBケーブルで接続すると、自動的に機器が判別される。ユニット本体に保存されているノートをPCにインポートするかどうかを尋ねるプロンプトが表示される。

 インポートされたノートは、ノートテーカー内の「モバイルノート」フォルダにサムネイルで一覧表示される。ノートをインポートした後は、ユニット本体のノートを削除するか、残しておくかを選択できる。各ノートをダブルクリックすると、そのノートだけが画面に表示され、拡大または縮小して見ることができる。サムネイル表示は画像が粗いため、きちんと取り込まれているのか一瞬不安になるが、拡大してみればきちんと取り込まれていることが分かるだろう。本当に、自分がノートに書いたものがそのままデジタル画像として表示されているのを見るのは、新鮮な驚きがある。

ノートをEvernoteに保存すると便利

 だが、このノートテーカーは、ノートを日時で管理しているため、ノートの枚数が増えてくると目的のノートを探しにくくなる。もちろん、ファイル名を変更することもできるし、検索機能もあるが、使い勝手が良いとはいえない。そこでお勧めなのが、Evernoteだ。ノートテーカーでは、画像をJPEG形式でエクスポートできるので、エクスポート専用フォルダを作成しておき、ノートをまとめてJPEG形式でエクスポートし、この画像をEvernoteにドラッグ&ドロップすれば、Evernoteの文字認識(OCR)機能により、簡単に検索できるようになる。もしくは、ノートテーカー上からノートをメールで送信することもできるため、Evernoteのプライベートアドレス宛にメールでノート画像を送信するのも良いだろう。

  • ノートテーカー

  • 画像をJPEG形式でエクスポートできる

My Scriptとの連携で手書きをテキストに変換

 付属ソフトウェアの「My Script」を使用すれば、MVPenを使用して書いたノートを、画像データとしてだけではなく、テキストデータとして使用することも可能だ(Windows版のみ)。ノートテーカー上で、テキストに変換するノートを右クリックすると表示されるメニューから、[テキスト変換]を選択すると、My Scriptが起動し、[グローバル変換の設定]画面が表示される。テキスト変換に対応する16言語の中から、目的の言語を選択し、必要に応じてその他のオプションを設定する。

 [グローバル変換の設定]画面で[OK]をクリックすると、テキストに変換されたノートと、オリジナルのノートが並んでMy Script内に表示される。ざっと書いたノートでも、意外に高い精度で変換される。もちろん、ノートに書かれた字がきれいであればあるほど、テキストへの変換精度も上がる。1ページ程度の変換であれば、変換後の修正のことも考えると、ノートを見ながら直接タイピングした方が早いかもしれない。だが、文章量が多い場合には、イチから入力するよりも断然早くテキスト文書が仕上がる。何度か試して、自分の筆跡のクセを知っておくといいだろう。ノートパソコンを出してノートを取れない環境や、キーボードがじゃまになる場所では、MVPenの小さなユニットとペンとノートを使用すれば、後でノートを人に配布する必要がある場合でも、簡単にデジタルデータから文章を書き起こすことができ、打ち直す時間と手間を大幅に短縮できる。ただ、Mac版が用意されていないのが、とても残念だ。

  • [グローバル変換の設定]画面

  • MVPenで書いたノートをテキストデータに

フォトスケッチなどその他の機能も充実

 MVPenをUSBケーブルで接続すれば、ペンタブレットとしても使用可能だ。ペンタブレットモードで使用中に、付属ソフトウェアの「Photo Sketcher」と組み合わせて使用することで、写真に文字や絵などを直接書き込めるようになる。

  • タブレットとしても使用できる

 ただ、正直なところ、ペンタブレットモードでは、マウスの動きがギクシャクするし、Photo Sketcherのインターフェースはとても使いにくい(Windows Vista Home Editionで使用)ため、思ったように写真に書き込みはできなかった。新しいバージョンとしての付加価値をつけたいという意図は理解できるが、ユニット本体とペンの使い勝手の向上だけで、十分インパクトはあるように感じる。それほど、ユニット本体とペンの改善が素晴らしいということだ。

 最近では、ノートをバラバラにして、スキャナで読み取り、Evernoteなどに保存する方法が広まっているが、そもそもノートを切り取りたくない場合も多い。そのような時には、MVPenをセットしてノートに書き込めば、ノートを切り取らずともデジタルデータが残る。筆者はA5サイズのノートを愛用しているため、試しにEN201をセットして使ってみたところ、適度な余白を残した状態でノートが保存され、見やすい上に検索しやすくなった。ノート本体を残したまま、検索性を高めるためにノートをデジタル化して保存するという用途には、MVPenが最適だ。

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