Googleは10月27日、ディスプレイ広告への取り組みを広告主に伝えるキャンペーン「このスペースのこれから」を開始したと発表した。北米、欧州などで同時展開されるグローバルキャンペーンとなる。
このキャンペーンはウェブ、出版媒体、屋外広告を通じて、Googleのディスプレイ広告の理解を深めたり、代理店やマーケッターとの間で広告の未来について語り合ったりすることを目的としたものだという。Googleのディスプレイ広告の特徴をまとめた冊子も発行した。
Googleは2010年第3四半期決算(7〜9月期)で初めてディスプレイ広告事業の通年の推定収益額を予測し、25億ドルを超える見込みであると発表した。Googleの広告主トップ1000社中99%がディスプレイ広告を活用しているという。日本市場も好調で、アジア太平洋地域メディアセールス部門ディレクターのShailesh Rao氏は「9月中は毎日、YouTubeのトップページの広告枠が売り切れていた」と明かした。
一方でディスプレイ広告の課題は広告主、媒体、ユーザーの3者の利害が一致していないことだとRao氏は言う。広告主は正しいターゲットにリーチできているか不安に思っており、ユーザーは見たくもない広告を見せられている可能性があるという。
このようなことが起きないように、Googleはどういった取り組みをしているか、日本法人のメディアセールス統括部長、近藤弘忠氏がディスプレイ広告を効果的に活用した事例をいくつか紹介した。
メルセデス・ベンツはマストヘッドエクスパンド広告という商品を使って、YouTubeのトップページに大きなバナー広告を掲載した。これをクリックするとバナー広告がさらに広がり、その中で動画を再生できるようになる。「ユーザーとより深いコミュニケーションをとれるインタラクティブな広告を実現した。メルセデス・ベンツの伝えたい言葉が1つのクリエイティブの中で訴求できた」と近藤氏は語った。
中古車情報サイト「Gooネット」を運営するプロトコーポレーションはリマーケティングという新商品を使い、Gooネットで比較検討をした潜在ユーザーに再度広告を配信した。リマーケティングとは一般的にはリターゲティングと呼ばれる技術で、特定の広告を視聴した人、特定のサイトを訪れた人のブラウザクッキーを匿名の状態で集め、その集団に広告を露出する。個人は特定されない。ユーザーにとって妥当性および関連性のある広告を配信できるようになるという。
YouTubeでは企業が「パートナーサイトブランドチャンネル」を盛んに活用している。8月30日に開設したMLB.jpのチャンネルでは2009年シーズン以降の全試合をノーカットで無料視聴可能となっている。動画は試合終了後36時間以内にアップロードされる。公式戦の動画に加え、日本人選手のハイライトシーンや試合ごとのハイライトシーン、1日の全試合結果の速報動画、歴史的な映像資料も見られるという。
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