ソーシャルニュースサイトを運営するDiggではかつて、幹部だったKevin Rose氏とJay Adelson氏が揃ってIT業界のカンファレンスに登場し、Diggに実装する多くの新機能について熱に浮かされたように語ったものだ。そして、彼らはいつでも決まって新たな人員を募集していた。しかしそれは今や、遠い過去のものとなってしまった。
AllThingsDは米国時間10月25日、Diggでパブリッシャー兼最高売上責任者(CRO)を務めるChas Edwards氏がDiggを退職し、新興企業Pixazzaに移籍すると報じた。これに続いて同日、Diggの最高経営責任者(CEO)であるMatt Williams氏は従業員宛てに電子メールを送信し、その中で同社の「バーンレート(資本燃焼率)は高すぎる」として、スタッフ67人のうち37%にあたる25人をレイオフすると発表した。Jay Adelson氏がCEOの職を退いた2010年4月のピーク時には、Diggの従業員数は100人強に達していた。
Williams氏は電子メールの中で、「2011年に黒字化を実現するには、経費を大幅に削減する必要がある」として、「われわれは給与から固定費まで、経費削減を可能にするあらゆる選択肢を検討してきた」と述べた。
Williams氏はAmazon.comの幹部を務めていた人物で、2010年8月末にCEOとしてDiggに加わったばかりだ。これに先立つ4月には、大幅な経営陣刷新によって当時DiggのCEOだったJay Adelson氏が辞任し、Rose氏が暫定CEOに就任していた。一方で、知名度の高い他のDigg従業員も次々と流出し始め、AOLに移った者もいれば、SimpleGeo(共同創設者はDiggの元従業員であるJoe Stump氏)やPathなどの新興企業に移った者もいる。Diggは5月、従業員の約10%をレイオフした。
さらには、注力分野の見直しも急務となっている。Diggは経営陣刷新を行っていた8月に、「Digg」プラットフォームのバージョン4(「Digg v4」)を公開したばかりだ。長らく待望されていたこの刷新は、一部のマニア層に支持されていたDiggを、メインストリームで人気を博す可能性を秘めたサービスに転換させようとしたものだ。転換の試みは、端的に言って順調には進んでいない。それに追い討ちをかけるように、2006年にWired Digitalの傘下に入ったDiggのライバルRedditは、このところ影響力を盛り返している。RedditではITや政治に詳しいユーザー層が、例えば医療用大麻の合法化をめぐる議論などの幅広い問題に関心を寄せるようになり、コメディアンのJon Stewart氏とStephen Colbert氏が米中間選挙を前にワシントンD.C.で開催することになっている風刺的な政治抗議活動も、最初のアイデアはRedditから生まれた(両氏は10月30日に合同集会を開催する予定だ)。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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