シトリックス・システムズ・ジャパン(シトリックス)は10月21日、デスクトップ仮想化製品の最新版「Citrix XenDesktop 5(XenDesktop 5)」を国内で発表した。現地時間10月7日からドイツ・ベルリンにて開催されたイベント「Citrix Synergy 2010 Berlin」で発表されたもの。発売は2010年第4四半期中を予定する。英語版と日本語版は同時に提供する。
XenDesktop 5では、管理機能を大幅に強化。新規インストールにかかる時間を10分程度に短縮したほか、新たに管理者向けコンソール「Desktop Studio」を提供。仮想デスクトップの管理や追加などを一元的に行えるようになった。PowerShellのコンソールを使ってタスクを追加することも可能だ。
ヘルプデスク担当者向けには、ブラウザベースの新コンソール「Desktop Director」を提供する。XenDesktopの利用状況をリアルタイムにモニタリングできるようになるほか、ユーザーのデスクトップを共有する「シャドーイング」も実現する。
ログイン画面などのユーザーインターフェースについても一新。アプリケーション仮想化製品「Citrix XenApp」用の統合クライアント「Citrix Receiver」については、すでに対応済みのiPadタブレットに加えて、DELLのStreakやSamsungのGALAXYなど対応デバイスを拡大する。セルフサービス型のアプリケーション管理ツール「Dazzle」もReceiverに統合した。
そのほか、高品位のユーザーエクスペリエンスを実現するHDXテクノロジについては、動画や印刷時における帯域の効率化を実現。高速化を図っている。
クライアントに合わせて最適な仮想化環境を提供する「FlexCast」についても強化された。XenDesktopの構成製品であるベアメタル型ハイパーバイザ製品「Citrix XenClient」が9月に正式発表されたことにより、仮想デスクトップのOSイメージをノートPCに配信して利用するということも実現した。
また、マイクロソフトとのパートナーシップについても強化している。マイクロソフト エンタープライズパートナー営業統括本部 ストラテジックアライアンス本部 業務執行役員 本部長の杉山昇氏は、「XenDesktop 4の時からVDIでの協業をしており、パートナーが両社のソリューションを担いでいる。それと同時に、かなりの規模のユーザーがCitrixとMSの製品をセットにして検証をしている」と現状を説明する。
XenDesktop 5ではMicrosoftのシステム管理製品群「Microsoft System Center」の連携を強化。機能が重複するところもあった両製品のすみ分けをすることで、「物理の環境、仮想化された環境を統合的に管理ができるようになる」と説明した。
10月21日に開催された発表会でシトリックス代表取締役社長のMichael King氏は、デスクトップ仮想化のニーズが、タスクワーカーからオフィスワーカーに拡大し、今後はモバイルデバイスの利用にまで広がると説明する。そして、今後デスクトップ仮想化を導入するための施策として「Desktop Transformation」を説明した。
Desktop Transformationでは(1)ホワイトペーパーの提供、(2)DaaS/デスクトップのコンサルティング、(3)XenDesktop 5についての無償教育――これらを通じてデスクトップ仮想化の認知度を高めていくという。
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