情報処理推進機構(IPA)は10月20日、2010年第3四半期(7〜9月)の脆弱性対策情報データベース「JVN iPedia」の登録状況を発表した。JVN iPediaは、日本国内で使用されているソフトウェア製品の脆弱性対策情報を収集することで、脆弱性関連情報を容易に利用可能とすることを目指すデータベース。
7〜9月にJVN iPedia日本語版へ登録した脆弱性対策情報は、国内製品開発者から収集したもの12件(2007年4月の公開開始からの累計は110件)、脆弱性対策情報ポータルサイト「Japan Vulnerability Notes(JVN)」から収集したもの52件(累計839件)、米国立標準技術研究所(NIST)の脆弱性データベース「National Vulnerability Database(NVD)」から収集したもの517件(累計8078件)の合計581件(累計9027件)となり、脆弱性対策情報の登録件数が累計9000件を突破している。
JVN iPedia日本語版に登録している脆弱性対策情報としては、たとえば、クラウドコンピューティングで利用されている「VMware」や「Citrix XenServer」などの仮想化ソフトウェアに関するものが153件、スマートフォンなどで利用の多い「Opera」に関するものが90件、登録されている。またJVN iPedia英語版は、国内製品開発者から収集したもの12件(累計110件)、JVNから収集したもの9件(累計450件)の合計21件(累計560件)であった。
7〜9月に登録した脆弱性情報のうち、IPAでは「WindowsプログラムのDLL読み込みに脆弱性」と「Siemens Simatic WinCCおよびSimatic PCS 7のSCADAシステムにおける権限を取得される脆弱性」を注目情報として挙げている。製品開発者は、プログラムが安全でない場所からDLLを読み込まないようにする必要があり、製品利用者は情報を日々収集し、製品のバージョンアップやセキュリティ対策パッチの適用などを遅滞なく行うことが必要としている。
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