Blu-ray Discを再生できる機器が増え、映画やドラマがDVDとBlu-rayの両方で発売される昨今、Blu-rayは身近な存在になりつつある。そのBlu-rayと、ここ最近市場に出始めた3Dテレビとが、これほど密接に関係していたとは。Blu-ray規格の統一と3Dテレビ発売の舞台裏に隠された、熱く熾烈な戦いが、ここにまざまざと蘇る。
DVDの次世代メディアとして生まれた、HD DVDとBlu-rayの生き残りを賭けた戦いは記憶に新しい。この戦いが、ソニーや東芝などの日本企業のみならず、ワーナー・ブラザースやウォルト・ディズニー・スタジオといった米国の企業をも巻き込んだ壮絶な戦いだったことが、本書でつぶさに語られる。そしてこの戦いは、3Dの世界規格を作るという、次なる戦いへの序章にすぎなかったと知らされる。まるでドキュメンタリー番組を見ているかのような迫力である。
近年、日本企業は元気がないと言われるが、情熱を持って仕事に打ち込んでいる人も多くいることがわかる。本書には、「自分も負けてはいられない」と熱くなれる要素が散りばめられている。ドキュメントの意義は、そこにあるのではないかと思う。
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