リーダーシップコーチが勧める成功戦略--成功の条件とは何か - (page 2)

文:John McKee(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子2010年09月27日 08時30分

 LGエレクトロニクスは元々、2つの企業だった。筆者がカナダの小売会社Hudson's Bay Companyの家庭用品部門を率いていた頃、LGエレクトロニクスという会社は存在せず、その前身であるLuckyとGoldstarという別々の企業が操業していただけだった。これらの企業にはそれぞれ得意とする分野があったものの、米国を拠点とする本当に規模の大きな企業とは、いずれもが太刀打ちすることはできなかった。しかし、両社が合併したおかげで、彼らの戦略において根幹となるスピードが達成できたのである。LGエレクトロニクスは、今では目の離せない企業となっている。

 Indra Nooyi氏は米国の多国籍企業における典型的なボスとは一線を画している。まず、同氏は世界的に見ても数少ない女性のCEOである。そして、短期間でキャリアアップを果たしている。同氏は1994年にPepsiCoに入社し、2001年に社長となっている。常にThe Coca-Cola Companyの後塵を拝していたPepsiCoという組織を同氏がどのように改革したのかを見てみると、その有能さが分かるだろう。新しい製品ラインを追加し、企業全体の指揮系統を再編し、将来の環境問題を見越して積極的に製品やパッケージのエコ/グリーン化を推し進めるとともに、収益を上げることに成功したのである。業界ウォッチャーは、ことあるごとに同氏の失策と凋落を予想してきた。しかし同氏は、そういった予想をすべて裏切ってきている。

 Zappos.comは、あっという間に世界最大のオンライン靴販売店になった。そのトップは靴の専門家ですらなかったものの、Jeff Bezos氏がAmazon.comで成し得た成功に倣うことができると考えたのだ。そして、靴の小売業界は変革の機が熟してきており、スピードこそが成否を分ける鍵であると見抜いたわけである。1999年に創業して以来、同氏は幾多の困難を乗り越え、厳しい経済状況を緊縮財政で乗り切り、現場で経験を培ってきた。それは素晴らしいサクセスストーリーであると言えるだろう。彼の行ってきたことは正しかった。Zappos.comのルーツを書き著した書籍である『Delivering Happiness』はリーダーシップに携わる人々にとって必読書と言えるだろう。

 最後は「新生」Chryslerだ。Fiatが1年半前に、この伝説的企業の経営権を獲得した際、評論家たちは同社が経営に失敗し、おそらくはSergio Marchionne氏が責任者の座を退き、その親会社であるFiatも凋落すると予想した。しかしMarchionne氏は、両社の全部門のリーダーが自らの元に直接報告を持ってこれるよう、すぐさま組織のフラット化を断行し、スピードという言葉を標語とした。2011年中にはほとんど新しい、あるいは生まれ変わった製品ラインアップが発表される予定である。

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