富士通は9月8日、診療所から300床の中堅病院を対象に、レセプト業務を効率化する医療事務システム「HOPE/SX-R」を同日より販売開始することを発表した。
医療機関による審査支払機関への診療報酬請求方法は、2011年度よりレセプト電算データによる請求が原則となるとともに、審査支払機関への提出についても、専用線やインターネットVPNを経由してのオンライン請求もしくは電子媒体による請求が義務化される。一方、政府の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)では「レセプト情報の有効活用」が施策として掲げられており、医療に関する各種情報の電子化に向けた機運が高まっている。これらを受け、病院や診療所ではレセプトの電子化が急速に進んでいるが、レセプト電算データの作成業務は月末や月初に集中し、事務スタッフおよびシステムにかかる大きな負荷が課題となっているという。
HOPE/SX-Rは、診療内容に応じて審査支払機関に対して発行するレセプト(診療報酬明細書)を作成する業務の効率化を支援するもの。従来、医療機関で規定の定型書式にてデータ化し、月末や月初にまとめて作成していたレセプト電算データを、会計入力が完了すると同時にリアルタイムで自動的に作成することができる。これにより、医療機関は月末や月初に集中していたレセプト処理を日々の業務の中で実施できるようになり、事務スタッフの作業負荷を大幅に低減できるという。また、画面と連動したヘルプ機能や、ユーザー自身が画面レイアウトを変更できる設定機能なども用意されている。
同製品は、パソコン1台で利用するケースから50台のクライアントサーバシステム構成まで対応が可能で、電子カルテシステムをはじめとする富士通の医療向けシステムと連携できる。また、無床診療所向け電子カルテシステムも11月には有償で提供開始する予定で、これを利用すれば簡単な設定で移行が可能だとしている。さらに、病名や行為の日本語入力による検索ができるようになり、システムの操作に慣れない人でも簡単に入力ができるとしている。
HOPE/SX-Rは、10月初旬に出荷の予定。提供価格は、最小機器構成の費用で120万円(税別)からで、導入および操作指導の費用は含まれていない。富士通では、今後3年間で1万システムの販売を目指すとしている。
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