環境保護団体GreenpeaceのエグゼクティブディレクターであるKumi Naidoo氏は米国時間9月1日、Facebookの最高経営責任者(CEO)Mark Zuckerberg氏に書簡を送り、環境フットプリントを軽減するよう促した。
Naidoo氏によると、オレゴン州プラインビルに大規模なデータセンターを建設するというFacebookの計画にGreenpeaceは失望しているという。Facebookの急成長を受け、データセンターの規模は当初予想の2倍になる見通しだが、Naidoo氏は同市の電源について、「地球温暖化最大の原因である石炭の占める割合が異常に高い」と記している。
また、Greenpeaceは2月からFacebook上で「Unfriend Coal」という抗議運動を展開しており、50万人を超える支持者を集めている。支持者の支援を受け、GreenpeaceはFacebookに対して、石炭を燃料とする電力の利用を段階的に減らし、気候変動ならびにクリーンエネルギーに関する政策の実現を求めるロビー活動を行うとともに、温室効果ガス排出の詳細情報を開示すると約束するよう求めている。
Facebookのポリシーコミュニケーション担当ディレクターを務めるBarry Schnitt氏は2日、オレゴン州に建設予定の同社施設は、エネルギー効率を念頭において選ばれたと回答した。同氏はまた、他のあらゆる企業と同様に、Facebookは電力の燃料源を管理できないとも指摘した。
プラインビルの電源に占める石炭の割合は58%で、全米平均の約50%を上回っていることはSchnitt氏も認めている。だが、この場所が選ばれたのは、穏やかな気候であるため、電力を大量に消費する従来の機械式冷却システムではなく、もっと効率のよい蒸発式冷却システムを利用できるからだ。
また、施設を各地に分散するのではなく1カ所に集約することにより、Facebookは効率を考慮した設計ができる。オレゴン州に建設予定の施設は、電力使用効率(Power Usage Effectiveness:PUE)が1.15で、業界平均をはるかに下回る見通しだとSchnitt氏は語る。業界トップと考えられているGoogleの2010年第2四半期におけるPUEは1.17だった。
Greenpeaceの「Cool IT」プログラム担当ディレクターはSchnitt氏のコメントに対し、Facebookなどのインターネット企業はエネルギー施策に関してもっと積極的な立場をとる必要があると主張している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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