Intelがドイツに拠点を置くInfineon TechnologiesのWireless Solutions事業を約14億ドルで買収することで合意した。両社が米国時間8月29日遅くに発表した。世界最大のチップメーカーであるIntelが、スマートフォン市場での足場を強化する狙いだ。
Intelの最高経営責任者(CEO)であるPaul Otellini氏は声明で、「ワイヤレスソリューションの世界需要は、驚くべきペースで成長している」と述べ、「InfineonのWLS(Wireless Solutions)事業を買収することで、当社のコンピューティング戦略の第2の柱であるインターネット接続性を強化することになり、Wi-Fiから3G、WiMAX、LTE(4G)にいたるまで全域をカバーする製品ポートフォリオの提供が可能になる」と語った。
The Linley Groupの最新報告書によると、Infineonは2009年、セルラーベースバンドの出荷で10.7%のシェアを獲得し、第4位だったという。ベースバンドチップは、スマートフォンとタブレットPCでワイヤレスブロードバンドや3G接続を可能にする。
Infineonは、Apple、Nokia、サムスンなどの主要サプライヤーである。
Intelは、同社の目標がスマートフォンとタブレットPC、ネットブック、ノートPC、組み込みコンピューティングデバイスにおいて、モバイルと組み込み製品の提供を拡大することであると述べた。「この取り組みを通じて、Intelは、同社の中核的な強みとWLSの業界最高級のセルラー技術を組み合わせ、広範にわたるワイヤレスオプションとアプリケーションプロセッサを一体化した低消費電力なIntelベースのプラットフォームを提供可能になる」とIntelは述べる。アプリケーションプロセッサはスマートフォン内部の主要プロセッサである。
Intelは、Infineonのワイヤレス部門を独立した事業として維持し、同部門は3Gソリューションを搭載したIntelベースのアプリケーションプロセッサプラットフォームのほか、ARMベース製品の既存顧客をサポートする見通しだ。
Intelの取締役会とInfineonの監査役会、取締役会はこのたびの取り引きを承認している。規制当局の認可などを経て、2011年第1四半期に買収が完了する見込みである。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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