RIAAなどの米音楽業界団体、著作権侵害への厳しい対応を要求

文:Declan McCullagh(CNET News) 翻訳校正:中村智恵子、福岡洋一2010年08月23日 14時19分
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 音楽業界の思惑通りに事が運んだ場合、ネット中立性に基づく規制が改定されてインターネットの監視が強化され、違法と見られるコピー行為に対する締めつけが厳しくなる可能性もある。

 米国時間8月18日、米国音楽業界のほぼ全てと言っていい団体が足並みを揃えて、新たな連邦法による規制も含め、インターネットサービスプロバイダー(ISP)が利用者の違法ではないかと疑われる行為を厳しく取り締まることを「促す」ブロードバンドポリシーを要求する姿勢を明らかにした。

 「現行の法律や規制は全米のクリエーターのために役立っていない」と、Googleの会長兼最高経営責任者(CEO)であるEric Schmidt氏に宛てた書簡で、全米レコード工業会(RIAA)を始めとする音楽業界の団体は述べている。「われわれの事業は痛手を被っており、ソングライター、アーティスト、ミュージシャン、スタジオの技術者など、この業界に携わる者の夢とキャリアも傷ついている」

 同書簡は、GoogleとVerizon Communicationsが9日付けで公開した共同提案への返答だ。両社は共同提案において、米国人が「インターネット上の全ての合法的なコンテンツにアクセスできる」ようにすべきだとしているが、違法コンテンツへのアクセスの問題や、コンテンツが著作権法に違反しているかどうかを誰が決定するのかという点には言及していない。

 インターネットは「混沌ではなく秩序に基づく」べきだと、American Federation of Musicians、American Society of Composers Authors and Publishers、National Music Publishers Associationなど、13にのぼる団体は同書簡の中で主張し、ブロードバンドプロバイダーは「著作権侵害などの違法行為を阻止するための方策をとる」必要があると述べている。

 GoogleとVerizonの共同提案は法律制定の提案というより原則をまとめたもので、今後のインターネットにどんな規制をかけられるかをめぐって、しばしば収拾がつかなくなる議論に可能な妥協点を探り、ある程度の決着をつけたいという両社の姿勢を反映していた。共同提案は米連邦通信委員会(FCC)が規制当局として明確な権限を持つべきだとしているが、ワイヤレスブロードバンドにもその権限を広げるところまでは踏み込んでいない。

 ネット中立性に基づく規制に著作権侵害に対する厳しい取り締まりを導入することをRIAAが提案したのは、これが初めてではない。

 RIAAは1月、ISPを著作権侵害と戦わせるための「柔軟な規則を採用」するようFCCに求めた。そこでは、著作権侵害を繰り返す者に対してサービス停止措置をとることも視野に入れている(サービス停止措置という対応は国際条約に関する話し合いでも浮上している)。またRIAAは2008年にも、民主党が提出したある法案について、ネットワーク上で著作権侵害を取り締まるために用いられる「ネットワーク管理」の形式を制限してしまう可能性があると警告した。

 現在のところ、1998年に制定されたデジタルミレニアム著作権法(DMCA)のもとで、ISPが単に他人がデータを送るための導管を提供しているだけならば、一般的に著作権侵害に対して「責任を負わない」とされている。しかし、米議会がこの法律を変更し、現在規定されている幅広い保護を崩していく可能性もある。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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