個人はいつも正しいわけではなく、会社にしてもそれは同じことだ。だからこそわれわれは、企業が過ちに潔く対処するとき、特にユーザーの要求を受け入れる決断を下した場合には、それを心から評価する。
ルクセンブルクを本拠とするSkypeは「iPhone」向け「Skype」アプリでは3G回線を使った通話に課金する計画を示していたが、現地時間7月21日付のブログでは、この決定をマイナーアップデート(新バージョンは2.0.1)で取り消したとしている。
5月末に行われたiPhone向けSkypeアプリのメジャーアップデート(バージョン2.0)では、従来のWi-Fiに加えて3G回線によるSkype通話が可能になった。Appleが数カ月前に制限を解除しており、要望が多い機能だった。
しかしSkypeはその際、3G回線による通話機能をもろ刃の剣として提示した。つまり、2010年8月までに開始される登録制有料サービスの無料トライアルとしたのだ。この登録モデルをSkypeユーザーは激しく非難したが、こうしたユーザーの態度をとがめることはできない。というのも、われわれも、このモデルは気に入らなかったのだ。
ブログによるSkypeの発表では、登録モデルの採用を言明した誤りについてはあいまいにしか触れられていない。
「(前略)通話品質の改善と利用性の向上(アプリのマルチタスク対応ならびに3G回線による通話)により、通話回数が増え、通話時間も長くなるとみられる」
このブログ記事では、一部の通信事業者が段階的料金モデルの採用に動いている現状についても触れ、「われわれは3G回線経由の通話について追加料金を徴収する計画はない」としている。
3G回線経由の通話を有料とする料金プランを撤回した理由について、Skypeはあいまいにしているが、現在の利用者の反発と、将来的に非難される恐れが原因ではないかというのが、われわれの見方だ。通信事業者の一部では、これまで容量無制限だったデータプランに上限を設け、データ利用の量に応じて課金を増やすことを検討する動きもあり、通信事業者に支払う料金が値上げされた上、さらにSkypeで支出が増えるとなると、同社は味方よりも敵を多く作ってしまう可能性がある。
3G回線とWi-FiによるSkype通話が今後も無料で続けられることに加え、2.0.1へのアップデートではマルチタスクへの対応が追加されている。これもまた、多くのユーザーを喜ばせる機能だ。
これまで、Skypeアプリが閉じられていると着信がプッシュ通知されない点については、通話機能の利用者の間から不満の声があがっていた。しかし7月21日のアップデートにより、Skype仲間からインスタントメッセージや通話が届くと、ほかのアプリを利用中であっても通知が表示されるようになった。
逆に、マルチタスク機能(利用には「iOS 4」が必要)を使えば、Skypeで通話しながらほかのアプリを利用することも可能だ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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