Appleの「iOS」やGoogleの「Android」が脚光を浴び、NokiaのスマートフォンOS「Symbian」は取り残されている観があるなか、Symbian Foundationは米国時間7月19日、シェア回復を目的とする重要な提携を明らかにした。
Symbianは、ウェブアプリケーションという概念に特に力を入れており、ウェブページ記述のHTML、フォーマットのCSS、処理のJavaScriptといった標準を採用することによって、異なるコンピューティングデバイス間での違いを解消しようとしている。
これを達成するため、SymbianはNitobiのオープンソースツール「PhoneGap」を「Symbian^3」(S^3)プラットフォームに統合する。これでプログラマーはウェブブラウザで利用されるウェブ標準を使ったソフトウェアを開発できると同時に、位置情報サービス、加速度センサーデータ、カメラ、テキストメッセージング、連絡先データベース、音声、ネットワーク接続状況などのネイティブなSymbianインターフェースを利用することもできる。
Appleの「iPhone」が、どんなことが可能なのかを示して数百万規模のユーザーを魅了していることから、携帯電話プラットフォームを手がける企業は、プログラマーや通話技術、プログラミングツール、アプリケーションなどの豊かなエコシステムを構築しようと競っている。Nitobiとの統合によって、ウェブプログラマーがSymbian搭載電話で使えるソフトウェアを記述しやすくなれば、Symbianのシェアが大きく伸びる可能性もある。
SymbianとNitobiの提携は、オレゴン州ポートランドで開催されている「O'Reilly Open Source Convention(OSCON)」で7月19日に発表された。SymbianはNitobi技術をウェブアプリケーション作成ツールに統合する。
この提携によってPhoneGapツールを利用するプログラマーは、iPhone、Android、「BlackBerry」や「Windows Mobile」に限定されることなく、ソフトウェアをより容易に開発できるようになる。ただし、PhoneGapソフトウェアは、Symbianのウェブ拡張パッケージに含まれるため、「互換性の保証」外となる。そのためアプリケーションプログラマーは、ソフトウェアの基盤が携帯電話に組み込まれるのか確信できないでいる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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