日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は7月8日、ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)向けサーバ「HP ProLiant」シリーズの新世代機「HP ProLiant Generation 7(G7)」のラインアップ拡充を発表した。
今回発表したのはIntel Xeonプロセッサ7500番台を搭載する4ソケットモデル「HP ProLiant DL580 G7」、8ソケットモデル「HP ProLiant DL980 G7」、AMD Opteron 6100シリーズ搭載の4ソケットモデル「HP ProLiant DL585 G7」の3製品。いずれも、6月に米国ラスベガスで開催されたイベント「HP Tech Forum 2010」で米国内向けに発表されていた製品。あわせて、PCI Express接続対応の高速半導体ストレージ「HP PCIe IOアクセラレータ」も提供する。
DL580 G7は、8コア対応のIntel Xeonプロセッサ7500番台を最大4基(32コア)搭載し、メモリを64個のDDR3 DIMMスロットに最大1テラバイト搭載できる。また11個のI/Oスロットを備えており、前世代のG6シリーズと比較して約3倍の性能向上を実現したという。
DL980 G7はProLiantシリーズのハイエンド機種。8コア対応のIntel Xeonプロセッサ7500番台を最大8基(64コア)搭載し、メモリを128個のDDR3 DIMMスロットに最大2テラバイト搭載できる。I/Oスロットは16個。
DL980 G7は、HPの独自技術「PREMAアーキテクチャー」を搭載する。このアーキテクチャは、プロセッサ間の通信トラフィックを2基1組でキャッシュすることにより、トラフィックのボトルネックを削減する「スマートCPUキャッシング」をはじめ、仮想サーバのメモリエラー時に、影響を受ける範囲の仮想マシンやアプリケーションのみを自動的に再起動して障害の影響範囲を局所にとどめる「VMアイソレーション」などの機能で構成される。「Integrityサーバで培った技術をx86サーバにも導入した」(日本HP エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業部 製品マーケティング部製品企画部の中井大士氏)
DL585 G7は12コア対応のAMD Opteron 6100シリーズを最大4基(48コア)搭載し、メモリを48個のDDR3 DIMMスロットに最大512Gバイト搭載できる。I/Oスロットは11個。
HP PCIe IO アクセラレーターは、ラックマウント型ProLiantサーバ向けのカード型半導体ストレージ。PCI Expressバス接続に対応しており、高速なデータ転送を実現する。
価格と出荷時期は以下のとおり。受注開始日については、DL980 G7を除いて7月15日からとなっている。DL980 G7については9月上旬を予定する。
7月8日に開催した製品発表会では、日本HP エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 インダストリースタンダードサーバー事業部 製品マーケティング部製品企画部 本部長の橘一徳氏が同社のHPC事業について説明した。
これまで景気低迷の影響もありサーバの出荷は低調だったが、「1月以降、出荷台数でも対昨年比の成長率でもプラス成長を見せており、停滞感は底を打った」と橘氏は説明する。
不況下において、国内の製造業はITシステムの“コスト削減”がテーマになっている。そんな中、HPではブレードと仮想化によるITソリューションの統合化、センサを使ったシステムの省電力化などで企業に貢献してきたという。これを裏付けるように、同社のHPC/CAE(Computer Aided Engineering)分野のビジネスは、2010年10月期第1四半期(2009年11月〜2010年1月)で前年比73%、第2四半期(2月〜4月)で同148%の成長を達成した。「ITが“ものづくり”をリードする時代。先端技術を投入し、製造業を活性化させる」(橘氏)
今後日本HPでは、(1)今回発表したProLiantサーバをはじめとした高性能、省電力な製品群を開発、(2)SIパートナー、ソフトウェアベンダーとのパートナーシップ強化、(3)電力やスペースの効率化によるグリーンITの実現--の3本柱の戦略でHPC/CAE事業を強化していく。
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