Financial Timesによると、PCメーカーLenovoの会長Liu Chuanzhi氏が、Appleは中国で非常に大きなチャンスを逃しており、その責任はほかでもないAppleの最高経営責任者(CEO)Steve Jobs氏にあるとの見解を示したという。
「Jobs氏がとても短気で、中国に関心を払っていないことは、当社にとって幸運なことだ。もしAppleが中国の消費者に対して当社と同じだけの労力を注いでいたら、われわれは困ったことになっていただろう」と、Liu氏はFinancial Timesの取材に対して語った。
Appleは2009年10月に「iPhone」を中国で発売したが、売り上げは伸び悩んでいる。同国でiPhoneを提供する通信事業者の中国聯通(China Unicom)は2009年12月に販売台数が10万台に達したと発表したが、China Unicomの総契約者数が1億4400万人にのぼることを考えればささやかな数字だ。
販売が伸びない理由として、Appleは中国移動(China Mobile)とも断続的に交渉を行っているものの、現時点ではiPhoneを提供する通信事業者がChina Unicomのみだという点が挙げられる。また複数の報道によると、中国でのiPhoneの販売価格は730〜1020ドルで、グレーマーケットのスマートフォンやiPhoneのコピー商品と比べてはるかに高額だという。
さらに、中国版のiPhoneではWi-Fi機能が使えない。これは、中国の規制当局が、同国独自の無線LAN規格WAPI(WLAN Authentication and Privacy Infrastructure)に対応していないWi-Fiデバイスの販売を認めていなかったためだ。そこでAppleは、中国市場への参入を遅らせないために、Wi-Fi機能を無効にしたiPhoneを発売した。しかしその後、規制が緩和され、WAPIにも対応しているものに限り、Wi-Fi機能を備えたデバイスを販売してよいことになった。
Lenovoは先ごろ、新型スマートフォン「LePhone」を中国で発売した。同社にとって、スマートフォン市場進出の第一弾となる製品だ。Liu氏によれば、LePhoneは中国のユーザー向けにカスタマイズしてあるため、iPhoneに十分対抗できるという。
「これはとても実用的な製品だ。iPhoneが10万を超えるコンテンツプロバイダーを擁するのに対し、当社はわずか1000ほどだが、中国の消費者は当社のアプリケーションを非常に便利だと感じている」とLiu氏は述べた。
Appleにコメントを求めたが、回答は得られなかった。
香港に本拠を置くLenovoは、最近になって黒字転換している。同社の2010会計年度第4四半期(2010年1-3月期)は純利益が1300万ドルとなり、2億6400万ドルの損失を計上した前年同期から業績を伸ばした。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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