独立行政法人情報処理推進機構 セキュリティセンター(IPA/ISEC)は7月5日、6月度と2010年上半期の「コンピュータウイルス・不正アクセスの届出状況」を発表した。また、7月13日(米国時間)に「Windows 2000 Server」や「Windows XP SP2」のMicrosoftによるサポートが終了することから、改めてサポートが終了したOSを使うことの危険性と、今後の対処方法についての説明を紹介している。
サポートが終了したOSを使うことの最大の問題は、そのOSに対する修正プログラムが製造元から提供されなくなることだ。今後OSの脆弱性が発見されても、それを解消することができなくなる。このため、脆弱性を悪用してPCへに不正アクセスを実行されたり、悪意あるウェブサイトの閲覧だけでウイルスに感染させられてしまう危険性があり、第三者を攻撃するための踏み台にされる可能性さえある。
このため、最新のOSに移行するといった対応が急務としている。どうしてもそのPCを使い続ける必要がある場合は、サポートが終了したOSが搭載されたPCを利用することの危険性を認識した上で、ウイルス感染や不正アクセスの被害を予防するために、できる限りネットには接続しないこと、またほかのPCとUSBメモリなどを介するデータのやり取りを行わないことを勧めている。
2010年上半期のウイルス届け出状況では、届け出件数は7480件であった。ここ数年は減少傾向であるが、2009年下半期よりは増加しているという。コンピュータ不正アクセス届け出状況では、2010年上半期の不正アクセス届出件数は100件で、前半期より14権の増加、内訳は、侵入36件、なりすまし24件、サービス拒否(DoS)攻撃2件、アドレス詐称1件、その他(被害あり)4件となっている。
6月のウイルス検出数は約4万1000個と、5月の約5万個から18.8%の減少となった。届け出件数は1245件となり、5月の1084件から14.9%の増加となっている。コンピュータ不正アクセス届け出状況では、6月の不正アクセス届け出件数は15件で、このうち13件が何らかの被害があった。
相談件数は77件で、このうち50件が何らかの被害に遭っている。被害届け出の内訳は、侵入3件、なりすまし9件、その他(被害あり)1件となっている。ウイルス・不正アクセス関連相談総件数は1983件で、このうち「ワンクリック不正請求」に関する相談が755件(5月は637件)、「セキュリティ対策ソフトの押し売り」行為に関する相談が7件(5月は27件)、Winnyに関連する相談が2件(5月は5件)などとなっている。
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