SpinningWorksは7月31日、電子書籍の感想などをクリッピングし、共有できるソーシャルリーディングサービス「Qlippy」ベータ版を公開した。
QlippyはiPad向けの電子書籍リーダーアプリと、ウェブサービスが連携したサービス。iPadアプリでは、EPUB形式の電子書籍を閲覧できるだけでなく、任意の範囲のテキストをクリッピングし、その内容に対するコメントをつけられる。クリッピングした内容は、同じ電子書籍を閲覧したユーザー間で共有できる。
ウェブサービスではユーザーが所有する電子書籍を確認できるほか、クリッピング内容の管理やほかのユーザーのフォロー、コメントの多い書籍のランキング表示といった機能を提供する。ウェブサービスの利用には、アプリ側でのユーザー登録が必要となる。
電子書籍のデータは用意されていないため、ユーザーは「青空文庫」の書籍データをEPUB形式に変換したり、「Google Books」や「Project Gutenberg」などで公開されているEPUB形式のファイルをダウンロードし、iTunes経由で取り込む必要がある。
サービスを提供するSpinningWorksは2010年2月の設立。代表取締役社長の白形洋一氏はもともとSAPジャパンで業務改善などのコンサルティングを手掛ける一方、個人プロジェクトとしてサービスの企画や開発をしてきた。「電子書籍は単なる『紙の置き換え』ではない。電子化するからこそできることを考えていた。感想を共有するといったソーシャル性を加えることで、読書のスタイルを変えていきたい」(白形氏)
今後は秋をめどに各種機能の追加を進める。APIを公開し、各種電子書籍リーダーに機能を組み込んでもらう仕組み作りも検討しているという。並行して出版社やコンテンツプロバイダーと話し合いを持って、コンテンツ提供の仕組み作りについても模索していく。
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