MTVとWarner Music Groupは米国時間6月30日、MTVがWarner Music Groupの所有する音楽ビデオ用の広告販売をまもなく開始する予定であると発表した。
Warnerは声明で、MTVがWarner Musicのビデオ広告スペースを独占的に販売する権利を取得する予定であると述べた。Warnerは1年弱前にも、Outrigger Mediaと同様の契約を締結している。
先週、Warner Musicが新しい広告販売手段を模索しているといううわさが出始めた。ある音楽業界情報筋は、Warner Musicが動画ポータルのVevoと、Warnerの広告を販売するサービスの可能性について話し合いを持ったと述べた。
2009年に動画共有サイトであるYouTubeと契約をめぐる論争を長期にわたって繰り広げた末、Warner Musicは同社がYouTubeに投稿した音楽ビデオに対し、同社独自の広告を販売する権利を得た。しかし世界第3位の音楽レーベルである同社には、広告販売のためのチームが存在しない。同社は2009年10月、経営破たんした動画サイトVeohから派生したグループであるOutriggerに提携を持ちかけた(PDFファイル)。
Outriggerとの契約はあまりうまくいかなかったようだ。OutriggerとWarner Musicの契約はまだ続いているが、Outriggerはターゲット広告販売のみを扱い、MTVがその他すべての広告を扱う予定である。
Warner Musicは、世界4大レコード会社の中で唯一、Vevoとの提携を拒否している。Warnerには、Green Day、Chris Brown、Flo Ridaといったアーティストが所属している。Warnerの幹部らは音楽ビデオにおいて、他のレーベルとは異なる道を選択したようである。
しかし、MTVと提携したからといって、同社が今後、Vevoと提携できないわけではない。Vevoとレーベルとの契約はどれも排他的なものではない。
今回の提携において、おそらく最も得をしたのはViacom傘下のMTVである。両社は声明で、「今回の提携の一環として、WMG(Warner Music Group)のビデオビュー(視聴回数)は、MTV Music Groupのビデオビューの一部としてカウントされることになる」と述べた。
しかし、最大規模の視聴者を獲得するという観点からは、Warnerの選択は次点だったかもしれない。comScoreによると、2010年5月のユニークユーザー数とビデオビューの両方のカテゴリにおいて、VevoはViacomのデジタル資産全体を大きく上回っているという。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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