Appleが「Snow Leopard」の最新アップデートに、トロイの木馬を利用した、ある攻撃からMacを保護する機能を追加していた。セキュリティ企業Sophosが米国時間6月18日、明らかにした。問題のトロイの木馬は「iPhoto」に見せかけて配布され、マシンのバックドアを開く。
Appleは、15日に「Mac OS X 10.6.4」をリリースした際、VPN接続との互換性の問題などに対処したと述べたが、マルウェア対策機能をアップデートしたことについては言及しなかった。
しかし実際は、Macをターゲットとしたマルウェアのシグネチャを含むファイルである、XProtect.plistファイルがアップデートされている。SophosのGraham Clulely氏はブログ投稿で、これらのシグネチャにより、「HellRTS」と名づけられたマルウェアが検出されるようになったと記している。
HellRTS(Sophosは「OSX/Pinheard-B」として検出している)は、この数カ月間出回っているトロイの木馬である。Sophosによると、攻撃者は感染したコンピュータを利用して、スパムを送信したり、スクリーンショットをとったり、ファイルにアクセスしたりと、コンピュータをほとんど制御可能になるという。
Clulely氏は、「残念ながら多くのMacユーザーは、自分のコンピュータ上で動作するセキュリティ脅威に気が付いていないようだ。Appleが、今回のようなマルウェア対策のセキュリティアップデートを、何を提供したのかを公表することなく、ひそかに発行していたのでは、その状況は改善されない」と記している。「今回のようなマルウェア対策のセキュリティアップデートについて何も発言しないのは、何かマーケティング上の理由によるものなのかと疑わざるを得ない。『Mac OS X上でマルウェア保護対策を講じなければならないことをユーザーに言ってはならない』ということなのか」(Clulely氏)
18日夜遅くに電子メールでコメントを求めたが、Apple関係者らからの回答を得ることはできなかった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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