企業のライフサイクルにおいては、予算の削減や人員整理が避けられない場面も多くある。しかしそんな時期にも、ITマネージャーは、自分が下した厳しい選択についてどれほど忸怩(じくじ)たる思いを持っていても、なんとか残ったスタッフの意欲を高める方法を見つけなくてはならない。この記事では、人員整理や劇的な予算削減の後に自ずから生じる不安定な時期に、自分のチームをしっかり維持するためのヒントを紹介する。
これはどれほど強調しても足りない。一時解雇が発表された日には、人事異動に伴って生じる一般的な責任の変化を説明するスタッフミーティングを開いた方がよい。一時解雇が行われた後2日ほどは、チームの効率が落ちても理解を示すべきだろう。しかし3日目には、プロジェクトでしなくてはならないことのリストを再びチェックし始めること。人事異動に伴って起きる可能性のある最大のリスクは、チームが自分たちの会社が破綻する運命にあると信じ始めてしまう可能性があるということだ。残ったメンバーには、はっきりした達成可能なゴールを与え、あなたが真剣にそれを達成しようとしていることを証明することが大切だ。
企業によっては、ITプロフェッショナルは人員整理の時にしか、自分の仕事が損益の観点から議論されるのを聞くことはないという場合もある。もし、まだやっていないのであれば、チームが現在進めているプロジェクトのROIについて簡単なプレゼンテーションを行うといい。自分たちの仕事が、企業の財務にどのように貢献しているかを理解すれば、メンバーが「次は私かも」症候群を克服する役に立つだろう。
いくらあなたがチームのメンバーから個人的に好かれていても、一時解雇を経験したばかりの従業員は、管理職と対立する態度を取るものであり、あなたも確実に彼らの敵としての立場に立たされる。1人か2人のベテランチームメンバーを選び出し、他の従業員との間ではできないような、士気の問題についての率直な話し合いを持つといいだろう。また、この行動を秘密にしてはならない。もしそうすれば、あなたが管理職側のスパイを送り込もうとしているように見えてしまうだろう。相談したスタッフには、彼らがあなたから得た情報は、他のチームメンバーと自由に共有していいと知らせておくこと。
これをやっても、直ちに人気が上がることはない。しかし、長期的な関係が問題になり始めると、従業員に対し、会社と従業員の間には、相応の報酬パッケージを支払うことに対する誠実な労働という形で、互いに直接的な責任を負っていることを思い出させることが有効になる。このやり方は、1対1の会話の中でもっとも役に立つ。私は自分でもこの方法を少なくとも10回は使っているが、非常に否定的な反応があったのはたった1度だけだ。私の考えでは、これが効果的なのは、人員整理に伴う慎重に計画された情報伝達の最中では、率直な物言いが新鮮に思えるからだろう。
会社にとってビジネス的に見合わないという理由で人員削減が行われたのを見た後では、残されたチームメンバーは、すぐに自分の仕事についても同じ結論が下されるのではと恐れるはずだ。自分のチームが手がけている次の大型プロジェクトを、会社にとって大きな成果となるものにすること。タイミングのよい立ち上げのために、必要ならリソースの再配分をすべきだ。プロジェクトが完了したら、会社がその投資に見合う効果を上げられることを十分に広報すること。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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