ライバルのParallelsと同様、VMwareも「Windows XP」から「Windows 7」への移行を容易にする仮想化ソフトウェアを用意している。
VMwareの手法は、同社のウェブサイトから入手可能な「VMware vCenter Converter」と「VMware Player」を組み合わせて使用するもので、50ドルのParallels製品と比べて機能は限られているが、無料で利用できる。物理的なWindows XPデスクトップを、VMware vCenter Converterによってパッケージ化して仮想マシンに変換し、そのWindows XPデスクトップを新しいWindows 7搭載マシン内で仮想的に実行するというものだ。
2つのVMware製品は以前から提供されているが、同社は米国時間6月10日、ブログ投稿の中で、Windows 7への移行を容易にする点に焦点を当てて、この2製品を組み合わせて使用する方法を説明している。
VMwareでグループ製品担当マネージャーを務めるJason Joel氏は11日、電話インタビューの中で次のように述べた。「われわれは、このアイデアをより多くの顧客に知ってもらいたかった。Windows 7に関しては、数多くのユーザーが現在移行中か、または移行を検討している」
だが同氏によると、Windows 7への移行に多く利用されているツールは使うのが難しいという。ユーザーは自分のデータをすべてバックアップし、「Windows」のクリーンインストールを実行してから、データを元に戻し、アプリケーションを再度インストールする必要がある。ここで仮想化を利用すれば、プログラムとデータをもっと簡単にWindows 7に移行できる。
同様に、こうしたニーズを好機と捉えたParallelsは、「Parallels Desktop Upgrade to Windows 7」を4月に発表した。このプログラムは有料だが、一部のプログラムを直接Windows 7に移行したり、Windows 7と互換性がないプログラムだけを仮想化したりできるなど、VMwareの製品にはない機能をいくつか備えている。
しかし、VMwareのソフトウェアを使用する消費者は、Parallels製品を使用した際に持ち上がるのと同じライセンス上の問題に直面する可能性がある。つまり、大部分のWindows搭載PCに付随してくるライセンス条件では、仮想マシンへの変換が許されていないのだ。米CNET Newsがこの問題を取り上げた後、Microsoft自身も警告を発した。
Microsoftでゼネラルマネージャーを務めるGavriella Schuster氏は、5月の時点でCNETに「当社は、消費者の問題解決策として、ユーザーのデスクトップを物理的に搭載されたOSから仮想マシンに移行することを是認しない。なぜなら、大多数(9割以上)の消費者が利用しているWindowsのライセンス条件では、Windowsを仮想マシンに変換したり、異なるマシンに移動させたり、あるいは『Windows XP Mode』を使用していないマシン上で補助的な仮想マシンを実行させたりできないからだ」と語った。VMwareの製品についても、これと同じ問題が起こりそうだ。
ただし、Windows XPのパッケージ版を購入した消費者や、Microsoftとの間で「Software Assurance」契約を締結している企業は、適切なライセンスを所有している場合がある。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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