IDC Japanは5月24日、2010年第1四半期(1〜3月)の日本国内におけるクライアントPC市場出荷実績値について発表した。これによると、同期の国内クライアントPC出荷台数は、前年同期比25.7%増の457万台となっている。
市場カテゴリ別では、特にビジネス市場が前年同期比35.6%増(264万台)と大きく伸びたほか、教育市場においては「スクールニューディール」向けに約51万台の特需があり、前年同期比256.7%増(73万台)となっている。
また教育、官公庁の公共市場を除いた企業向け出荷台数においても前年同期比7.6%増のプラス成長となった。これは企業が、金融危機のマイナス成長から脱し、回復傾向にあることが背景にあると見られる。
家庭市場は、前年同期比14.3%増(193万台)となっている。出荷台数の内訳では、デスクトップPCが49万台(前年同期比19.0%増)、ポータブルPCが144万台(同12.8%増)となっている。特にデスクトップPCについては、Windows 7のタッチスクリーン機能、フルハイビジョンの地デジ、ブルーレイ搭載モデルが出そろうことで値ごろ感が出せたことが要因とIDC Japanでは分析している。
ベンダーシェアでは、スクールニューディール向け出荷が好調だったNECと富士通がシェアを伸ばしており、この2社で今期スクールニューディール向け出荷の約84%を占めるという。
IDC JapanのPC、携帯端末&クライアントソリューション グループマネジャーである片山雅弘氏は「2010年第1四半期は、スクールニューディール向け特需があり、ビジネス市場全体は前年同期比で高い成長率を遂げた。しかし企業向け出荷もプラス成長に転じたことは見逃せない現象である。国内企業も回復の兆しが見える。ただし、ギリシャショックが今後企業にどのような影響を与えるのか見極める必要がある」とコメントしている。
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