ソニーは5月13日、2010年3月期(2009年4月〜2010年3月)の連結業績を発表した。2月に上方修正を加えた業績見通しからさらに改善し、営業利益は318億円の黒字化を達成した。
売上高は7兆2140億円と前年から6.7%の減少となったが、営業利益は前年の2278億円の赤字から318億円の黒字化、当期純損失は同989億円から408億円へ赤字幅を縮小した。
同社では2月に業績見通しの修正を発表。その時点で営業損失は600億円から300億円へと赤字幅を縮小する上方修正をしていた。ソニー 代表執行役副社長CFOの大根田伸行氏は「想定以上に製品の価格を下げずに済んだこと、構造改革で固定費の削減が進んだことに加え、1月時点より多少金融市場が良くなっている」と黒字に転換した理由を述べた。
中でも損益改善に大きく寄与したのが、コンスーマープロダクツ&デバイス分野。単価下落や市場縮小の影響を受け、液晶テレビ「BRAVIA」、ビデオカメラ「Handycam」、デジタルカメラ「Cyber-shot」の売り上げは減少したものの、売り上げ原価率の改善、販売費、一般管理費の削減により、営業損失は前年度の1151億円から465億円へ、686億円改善した。
一方、PC「VAIO」やゲーム機「PlayStation 3(PS3)」、「プレイステーション・ポータブル(PSP)」、デジタルプレーヤー「WALKMAN」などのネットワークプロダクツ&サービス分野では、VAIOやPSP、「PlayStation 2(PS2)」などの売り上げ減により、売上高は前年比10.2%減の1兆5758億円となった。
大根田氏は最近の商品ラインアップを「スマートフォンの『Xperia』、先日発表したレンズ交換式デジタルカメラ『α NEX-5/NEX-3』などソニーらしい競争力のある商品が出てきている」と分析する。
2010年度の売り上げ台数見通しは、液晶テレビで2500万台(2009年度実績1560万台)、ビデオカメラ530万台(同530万台)、コンパクトデジタルカメラ2300万台(同2100万台)、PlayStation 3 1500万台(同1300万台)、PSP 800万台(同990万台)。
液晶テレビは、前年度からの大幅台数アップとなるが「確かに厳しいマーケットだが、無理なターゲットとは思っていない。新興国を中心に数は伸びていくと思う」(大根田氏)とした。
2011年3月期の業績予想は、売上高7兆6000万円、営業利益は1600億円としている。
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