ウェブ上のデータを集約してサイトを動的生成するマッシュアップツール「Ousia Weaver」

岩本有平(編集部)2010年04月22日 17時06分

 Studio Ousiaは4月22日、ウェブ上のコンテンツやデータを集約してサイトを動的に作成できるマッシュアップツール「Ousia Weaver」を発表した。

 Studio Ousiaでは、英語170万件、日本語40万件のキーワードについて、その属性や意味を認識する「キーワード意味認識技術」、キーワード意味認識技術を元にウェブサイト上からキーワードを抜きだし、明示化する「キーワード・マークアップ技術」、各社が提供するAPIを使ってウェブ上のコンテンツを集約し、マッシュアップコンテンツを生成する「コンテンツ集約・編集技術」の3つの技術を研究、開発している。今回発表したOusia Weaverは、そのコンテンツ集約・編集技術を製品化したもの。

 Ousia Weaverでは、米Yahooが提供するマッシュアップサービスである「Yahoo! Pipes」にも似たインターフェース上に、利用するコンテンツやデータの種類、条件などを指定する「オペレータ」と呼ぶパーツを配置していくだけで動的なウェブサイトを構築できる。たとえばある会社の商品、ニュース、株価情報を表示するオペレータを組み合わせて出力することで、アナリストが企業分析に利用できるウェブサイトを構築する、といった使い方ができる。

「Ousia Weaver」のスクリーンショット 「Ousia Weaver」のスクリーンショット。「オペレータ」を配置してウェブサイトで出力する情報を決定する ※クリックすると拡大します

 オペレータでは、GoogleやAmazonをはじめ十数種類のウェブサービスが提供するAPIを利用してデータを取得できる。また、APIを公開していないサービスについても、データをスクレイピングしてオペレータに追加することもできるという。

 オペレータで利用するデータは「価格」や「位置」「日付」など約20種類の属性を認識できる。そのため、「イベント情報サイトから特定のキーワードが含まれるイベントを出力したサイトを構築する」という場合、一般的な検索サイトのようにリスト表示するだけでなく、Google Maps上でイベント開催地とイベント情報をマッピングして表示する、時系列にイベント情報を並べて表示するといったことができる。表示方式は、前述のリスト表示やマップ表示、時系列表示に加えて、画像と検索結果を並べて表示する「カタログ表示」、X軸Y軸に取得できる価格や日付といった属性を当てはめて表示する「グラフ表示」などを用意する。

「Ousia Weaver」のスクリーンショット 検索結果を「カタログ表示」したところ ※クリックすると拡大します

 Studio Ousiaでは今後、法人をターゲットにOusia Weaverの販売を予定する。ユーザーのニーズによりカスタマイズが必要なため、価格は応相談となっている。また現在、Ousia Weaverを利用した検索デモサイト「Phroni」(英語のみ対応)を公開中だ。Phroniでは、Wikipediaの情報に加えて、検索キーワードに関連したニュースや動画、イベント情報などを表示できる。

Studio Ousia代表取締役兼CTOの山田育矢氏 Studio Ousia代表取締役兼CTOの山田育矢氏

 

 Studio Ousiaの設立は2007年。代表取締役兼CTOの山田育矢氏は、学生時代にベンチャー企業ニューロンを設立。同社とフラクタリストの合併を受けてフラクタリストの取締役技術戦略担当となったのち退社。「既存の検索エンジンでは実現できていない、『モノと情報を結びつける技術』を生み出したい」(山田氏)というビジョンから、同氏も所属する慶應義塾大学環境情報学部 武藤佳恭研究室と共同で研究開発を続けてきたという。

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