IDC Japanは4月12日、国内クラウドサービスの市場予測を発表した。これによると、パブリッククラウド範囲における2009年の国内クラウドサービス市場の規模は312億円で、IT市場が低迷する中でも急速な拡大を続けているという。
IDC Japanでは、2009年の同市場の規模は312億円とまだ小規模だが、クラウドを重要な成長戦略とするITベンダーは多く、さまざまな事業者から異なる特長を持ったクラウドサービスの提供が始まっていることから、この市場が本格的な成長期を迎えているとしている。こうした背景からIDC Japanは、2009年〜2014年の同市場の年間平均成長率が35.6%で、市場規模の拡大に伴い2012年以降の前年比成長率は緩やかに低下するものの、2014年の市場規模は2009年比4.6倍の1432億円になると予測している。
国内クラウドサービス市場では、すでに事業者間の競争が激化していることをIDC Japanは指摘している。同社 ITサービス リサーチマネージャーの松本聡氏は「クラウドサービス事業者にとって、迅速なサービス提供が重要であった時期は早くも過ぎ去り、差別化が大きな課題となっている。また、企業のIT戦略は変化しており、『良いもの』ではなく『必要なもの』を選択する傾向が強まっていることに事業者は留意する必要がある。事業者は、利用量に応じた従量課金制だけではなく、細分化した豊富な機能を柔軟に選択利用できるサービスモデルを導入し、ユーザー企業にとって過不足のないサービスの提供が重要である」と述べている。
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