日米欧の当局と業界団体、世界的なデータセンター効率測定指標の策定で合意

文:Richard Thurston(ZDNet UK) 翻訳校正:矢倉美登里、長谷睦2010年04月08日 14時19分
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 欧州、日本、米国の組織がデータセンターの効率を測定する世界的な枠組みの策定で協力に合意した。統一された指標が採用されることにより、IT専門家が恩恵を受けるものとみられる。

 米国時間4月6日に発表されたこの合意は、欧州連合(EU)の行動規範(Code of Conduct)、米エネルギー省、米環境保護庁、日本の経済産業省、ならびにHewlett-Packard(HP)、Dell、Intel、Microsoftといった有力企業が参画するデータセンター業界コンソーシアムThe Green Gridとの間で結ばれたものだ。

 「最終目標は、データセンターのエネルギー効率について、世界的に受け入れられる測定指標の体系を策定することだ」と、The Green Gridの事務局長であるTom Brey氏は述べている。

 今回の合意により、業界の推奨指標として電力使用効率(Power Usage Effectiveness:PUE)が採用されることになる。PUEは、データセンター全体の消費電力をIT機器に起因する消費電力で割ったもので、冷房や照明といった、データセンターの機能に直接関係しない活動に消費されるエネルギーの割合を示す指標となる。

 The Green Gridでは、各データセンター間のエネルギー効率を比較評価する際に、PUEが活用できると考えている。

 「最大の問題の1つは、各企業のデータセンターをいかに比較するか、そしてこれらのデータセンターがエネルギー効率の面で正しい方向に進んでいるかどうかを確認することだ」とThe Green GridのEMEA(欧州、中東、アフリカ)テクニカルワーキンググループに所属するAlan Priestley氏は6日、ZDNet UKに語っている。

 「PUEの値を報告すれば、データセンター間で比較が可能になる。今回の合意により、さまざまな標準化団体の間で当初の指標を策定する上での同意に達し、データセンターのエネルギー効率を報告するための一貫した指標が得られたことになる」(Priestley氏)

 だが、英国コンピュータ学会(BCS)データセンター分科会の共同創設者であるLiam Newcombe氏は、データセンターの効率を測定する際に特別な意味を持つ「魔法の数字」は存在するはずがないと、これに異を唱えている。

 「データセンターについて、単一の総合的な指標を定めることはできない」とNewcombe氏は6日、ZDNet UKに述べている。

 Newcombe氏は代案として、垂直的部門によって異なる一連の指標を提案した。この場合、サーバが扱うウェブページ数やプロセッサの利用状況といった要素が考慮される可能性がある。同氏は、消費電力管理機能を実装すれば数値が悪くなり、仮想化によっても悪くなることが考えられるため、PUEは問題があると主張する。電力管理と仮想化はいずれも、運営側の企業にとってプラスになることが多い機能だ。こうしたことから、多くの企業にとってPUEは意味をなさないとNewcombe氏は主張する。

 一方、The Green GridのPriestley氏はPUEの限界を認めつつ、データセンターのすべての要素がエネルギー面で与える影響を理解することが重要だと述べた。「PUEは不変の評価基準ではない。多くの要素がPUEに影響を与えうるので、データセンター全体に計測機器を備えることが重要だ。これ(The Green Gridによる指標の策定)はまだ進行中の作業だ」

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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