Androidを組み込みシステムで活用することを目指す一般社団法人Open Embedded Software Foundation(OESF)は4月7日、開発環境「OESF Platform Builder」を開発したと発表した。OESF会員向けに無償で配布する。
OESFによると、Androidは携帯電話での利用を前提としており、ほかの組み込み機器で開発しやすい構造にはなっていないのだという。内部の各コンポーネント(各機能を構成するプログラム群)の相関関係を理解してカスタマイズする必要があることから、開発者にとっての障壁となっていた。
そこでOESFは、Androidの内部構造に関する詳しい知識がなくても環境を構築できるように、OESF Platform Builderを開発した。オープンソースのJava用統合開発環境である「Eclipse」のプラグインとして提供する。Eclipse上で表示されるメニューで機能を選択すると、自動的にAndroid内部の各コンポーネントの相関関係を整理し、必要なプログラムを取り出して再構成するという。
OESF Platform Builderの核には、OESFが開発した超軽量版Android「Light Weight Android」を採用している。これは、ダイヤル機能や、大容量で高精細な画像/動画を扱う機能など、携帯電話特有の機能を削ぎ落とし、組み込みシステムで共通に使用される部分だけを集約したもの。プログラムサイズは通常のAndroidの半分以下という。これに各自が追加したい機能をOESF Platform Builderで選択することで、必要な機能だけで構成された最小サイズのAndroidを利用できるとしている。
OESF Platform BuilderとLight Weight Androidは、OESF内に設置された「System Core(システムコア)ワーキンググループ」において、アットマークテクノとサムシングプレシャスが中心となって開発した。この2つはOESFが提供する予定の第2世代組み込み機器向けAndroidディストリビューション「OESF Embedded Master 2」に組み込まれる予定だ。
なお、OESFは4月21日にイベント「Android Steps Ahead 2010/TOKYO」を開く予定で、ここでOESF Platform BuilderとLight Weight Androidについて解説するほか、デモンストレーションも実施するとしている。
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