Yelpは、ユーザーと地元ビジネスを結びつけることを目的として掲げている。しかし、同サイトのユーザーレビューの信憑性を懸念する声が絶えないことから、レビューの透明性を高める手段を講じることにした。
Yelpは米国時間4月5日、同社の公式ブログにおいて、同サイトのレビューに関する2つの大きな変更点を発表した。1つめは、自動フィルタによってこれまでは隠されていたレビューを、誰もが参照できるようにすることである。2つめは、同社が広告主らに販売していた「Favorite Review(お気に入りレビュー)」オプションを廃止することである。どちらの機能も、ユーザーレビューの正当性という観点から、批判の対象に挙がっていたものである。
同社が自動フィルタを設定したのは、偽り、悪質、または疑わしいと思われるレビューを取り除くためであった。しかし、このフィルタは自動であるため、正しいレビューが振り分けられてしまうことがあった。同社はこの問題に対し、ある企業に対してフィルタで振り分けられたすべてのレビューを表示する別のページへのリンクを設けることにした。
「Favorite Review」機能は、自社に対する最良のレビューを強調したいと考える企業向けに、Yelpが広告パッケージの一環として販売していたものである。しかし、Yelpの有料広告とユーザーレビューの間に関係があるように見える点が問題視されていたため、同社はこの機能を完全に廃止した。
「われわれは今日、広告主に対してもそれ以外の人々に対しても、Yelpがレビュー内容を同等に扱っていること、また、Yelp上の広告と企業に対するレビューの間には何の関係もないことをより明確にするための変更を施した」と、Yelpの最高経営責任者(CEO)兼共同創設者であるJeremy Stoppelman氏は声明で述べた。「Yelpが毎月、多くの消費者による多くの素晴らしい地元ビジネスの検索を支援し、消費者によるトラフィックと企業広告主数が新しい記録を達成し続ける中、Yelpにおけるレビュー内容の表示方法に関する作り話が絶えなくなってしまった」(Stoppelman氏)
創設からまもなく6年が経つYelpはこれまで、ユーザーレビューの信憑性に関する批判を受け、苦しい時期もあった。Yelpは、Yelp上に広告を掲載する企業に対する好意的なレビューを、より目立つようにしていると批判されてきた。Stoppelman氏はこれまで、そのような批判をはっきりと否定してきた。
Yelpは現在、2月末に動物病院から起こされた集団訴訟で係争中だ。動物病院は、Yelpの営業担当から、否定的なレビューを削除する代わりに広告料の支払いを求められたと述べている。これに対し、Stoppelman氏は反論している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。 原文へ
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