RSS広告社が「Fringe81」に社名変更--新プロジェクト「SUGOIバナー」に着手

鳴海淳義(編集部)2010年04月01日 10時18分

 RSS広告社が4月1日に社名を「Fringe81」(フリンジ ハチイチ)に変更した。社外取締役にはてなの非常勤取締役、川崎裕一氏を迎え、新プロジェクト「SUGOIバナー」の開発に着手するなど、新しいスタートを切った。

 Fringeは「最先端」「前衛的」を意味する。81は日本の国番号を表す。新社名は日本発で世界に先がけたサービスを創造するという想いを込めた。

 RSS広告社は2005年創業。RSSフィードを利用した広告プログラムを提供し、「日本国内の市場シェアは9割を超える」(Fringe81代表取締役社長 田中弦氏)。2009年からはTwitter連動広告やソーシャルアプリ分野などにも参入している。

 新社名からは「RSS」も「広告」も外れた。「RSSにこだわらないし、もはや広告会社ですらない。今後は自社開発で新規事業を生み出していく。ただ得意分野は広告なので、当面はそこが中心になる」(田中氏)

 初夏にはSUGOIバナーという新サービスをリリースする予定だ。ネット広告のパフォーマンスを向上させ、メディアと広告主、双方に利益をもたらす仕組みを提供するものだという。

 この開発に新たに取締役に就任した川崎氏が参加する。川崎氏ははてなで広告事業戦略担当を務め、メディアの収益向上に知見を持つ人物だ。

 「広告主もメディアも広告パフォーマンス向上という指標に関しては同じ船にのっている。双方がハッピーになれるものを作りたい。実地でやっていたのでノウハウはある」(川崎氏)

 SUGOIバナーとは具体的にどのようなサービスか。川崎氏は農業に例えた。「たとえば、同じ土地でもどの作物を植えるか、どのように育てるかで収穫高は違ってくる。農家の方は経験的に知見を積み上げてきた。同じようにネット広告も手作業でチューニングされている。これをシステム化したい」

 田中氏と川崎氏はネットイヤー時代に机を並べた関係。大学時代からお互いを「ネットおたく」と呼び合っていた、いわゆる“ナナロク世代”だ。今回の新事業について意気投合し、田中氏が川崎氏を誘った。「再び一緒に働くことになって嬉しい」と話す。

Fringe81 代表取締役社長の田中弦氏(左)と社外取締役の川崎裕一氏Fringe81 代表取締役社長の田中弦氏(左)と社外取締役の川崎裕一氏

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