ニフティクラウドの今後の展開としては、まず選択できるサーバタイプの拡大が計画されているという。本稿執筆時点では、CPUやメモリの組み合わせによって5パターンのサーバタイプを選択できるが、今後はこの選択肢を増やし、3月中に10パターンまで拡大する予定とのことだ。また、OSも現在のCentOS 5.xに加えて、3月にはRed Hat Enterprise Linux 5.x、4月にはWindows Server 2008 EEを提供する計画になっている。その他にもロードバランサの導入や、24時間監視など運用面をサポートするオプションの導入も計画されており、用途に応じた最適な環境を選択できるサービスを目指す。
上野氏は、ニフティクラウドの当面の方向性として、IaaSとしての実力を高めていくことこそ推進したいと語っている。
「IaaS自体を進化させて、これまでデータセンターを借りてやっていたような内容を、コントロールパネルだけでできるような形まで持っていければと思っています。そうやって基盤を整えた上で、将来的にはPaaSやSaaSなど一段上のサービスレイヤも視野に入れていければいいと考えています」(上野氏)
最後に、これからクラウドの利用に取り組むユーザーは、どういった点を意識すればいいのか、上野氏にアドバイスをもらった。同氏は、単に環境を移行するだけではなく、マインドを変えていかなければ本当の効果は得られないだろうと指摘する。
「実はニフティが仮想化を取り入れたときにも、単に仮想化しただけでは狙っていたほどコストを下げられなかったんです。そこで従来のメーカー依存の考え方を改め、オープンソースソフトウェアの導入などを含めて自社で責任を負う体制に変えていきました。もちろん、そのためにはある程度の割り切りも必要だと思います。つまり、サーバーではなく、サービスが止まらない設計にするという考え方です。クラウドに踏み出すということは、そういったマインドチェンジが必要だということ。そうすることで、クラウドの価値を最大限に活かせると思います。ニフティはクラウドというインフラでそれをサポートします」
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