では実際に装着してみよう。ヘッドホンはパットが小さく耳に載せる感じになる。これで大丈夫かと不安になるが、側圧が意外に強く、軽く走ったくらいでは落ちない。ただしコードがないので、落ちるときはそのまま下に落ちてしまうのではと不安になった。
今人気のある曲のほうが分かりやすいと思うので、木村カエラの「Youbet!!」を聴いてみた。低域がかなり強い。ベースとバスドラムに張りがあり、コンパクトサイズのヘッドホンの割には低音がかなりしまって聞こえる。
早いビートで、シンバルが入った派手な曲だが、楽器がキレイに分離していて、非常に聴きやすい。シンバルの響きもクリア。聴きやすいというと、高音、低音が足りないのでは? と思ってしまうかもしれないが、それぞれの楽器の音が分離して聞こえる。これだけクリアに聞こえれば十分満足。誇張がなくて個人的には好きな音だ。ただ、ボーカルなどが少し薄く聞こえる嫌いがあるので、女性ボーカルで確認する。
弾き語りの女性ボーカルもので、メロディ・ガルドーの「Baby I'm A Fool」。非常にクリアだ。彼女のリップノイズもしっかり聞こえてくるなど臨場感は高い。だが、少し低音が強調されている感じがある。中高音のすっきりと抜けた音は気持ちよく、バックのオーケストラの音は伸びやかだ。
最後にクラシックを聴く。カルロス・クライバー指揮によるウィーンフィルハーモニー管弦楽団の「ベートーヴェン:交響曲第5番『運命』」を聴く。これは少し厚みが足りないように感じた。非常にクリアですべての楽器の輪郭がハッキリしているのだが、全体がまとまって迫ってくるような迫力が感じられない。やっぱり分解能が優れているから、ついつい欲張ってしまい、不満を感じるのだろう。
レビューするに至っては、送信ユニットを鞄の中に入れた上に、書類を重ねた状態するなどして試聴してみたが、音が途切れることは一度も無かった。ただ電源スイッチに鞄の中の荷物がぶつかり電源が切れることがあった。
TH-WR700は、1万7000円という価格から考えても完全に合格点だ。分解能の高さとS/Nの良さなど、いいところが目立つ。途切れない高音質ワイヤレスヘッドホンという圧倒的な機能とデザイン、価格、音質のバランスを考えると高い品質だと思う。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
住環境に求められる「安心、安全、快適」
を可視化するための“ものさし”とは?