Dolby Laboratoriesは米国時間3月11日、3D音声チャット技術「Dolby Axon」をPCから「Xbox 360」や「PlayStation 3」(PS3)、Macにまで対応させる計画を明らかにした。
ソフトウェア開発キット(SDK)は4月にすべてのゲーム開発者に公開する予定だが、Dolbyは明らかにしていないものの、すでに少数の開発者のもとでベータテストが進行している。
2009年からパソコン用ゲームメーカーに公開されてきた同技術は、ゲームの音声チャットチャンネルに3D感覚を加えるものだ。つまりヘッドホンや、5.1または7.1チャンネルのスピーカーを通して聴くと、他のゲームプレーヤーがどの位置で話しているかが感じ取れるようになる。
DolbyのマーケティングディレクターMatt Tullis氏は今週初めの米CNETとの電話取材において、ソフトウェアアップデートによりAxonを旧版ゲームに適用して「改良する」ことも可能だが、開発者の大半は単に新作ゲームに組み込むことになるだろう、と語った。Axonを組み込む利点は3D音声になることにとどまらず、音量のノーマライゼーション(均一化)、エコーの低減、背景ノイズの除去なども挙げられる。同技術を使えば、単に距離が遠い場合だけでなく、他のプレーヤーが壁や閉まったドアの向こうにいるため声が聴き取りにくい、といったゲームの要素も効果的に表現できる。
現在、コンソール向けゲーム開発者ならできるのにPC上ではできないことの1つは、ユーザーが設置しているサラウンド音声システムとステレオヘッドホンの音声をミックスするというものだ、とTullis氏は語る。Xbox 360やPS3などのゲームコンソールでは普通に使われる手法だ。Axonを利用して音声チャットシステムにトランシーバのような効果をもたらすプログラムを作成すれば、ユーザーにあたかもゲーム内で無線を使っているかのように遠くにいる相手と語り合う体験をさせることが可能になる。
対応プラットフォームにMacが入っている点についてTullis氏は、PCや家庭用ゲームコンソールほど主流に近いわけではないことを認めつつも、Mac用のゲームが市場として成長していることを指摘した。「有名なゲームでMacに対応しているものを、誰でも間違いなく知っている。(Valveの)『Steam』はMacへの対応を発表したばかりだ。また、『World of Warcraft』ユーザーの5%はMacで楽しんでいる」と、Tullis氏は説明した。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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