一般社団法人 ブロードバンド推進協議会(BBA)新世代BB研究会が主催した講演会「世界のスマートフォンおよびコンテンツ流通最新事情」に、コンサルティング会社であるインターアローズ代表取締役CEOの男澤洋二氏が登場。世界の携帯電話市場の状況について講演した。
ウェブビジネスやモバイルビジネスを海外展開する場合には、さまざまなリスクがあると男澤氏は言う。具体的には、経済条件や規制、競合他社との競争状況、技術、通信インフラの変化などがあり、特に消費者の購買/利用動向の変化を把握することが重要だとした。
市場の変化をうまくとらえた例が、「ビデオ界のiPod」と呼ばれる「Flip」だ。Flipは機能を絞ることで、安く簡単にビデオを撮影できるようにしたカメラ。Flipのシェアはここ1年間で15%から25%に拡大したという。この背景には動画サイト利用者の増加がある。
日本のメーカーは、国内で販売した製品を1〜2年かけて世界展開し、その利益で次の製品を開発するというモデルを採用している。開発原資を生み出すために、高額で高付加価値の製品を絶え間なく投入するという戦略が一般的だ。これに対し、Flipはネットユーザーのトレンドを的確にとらえたマーケティングドリブンの商品だとした。
続いて男澤氏は、米国と英国での携帯事情の違いについて紹介した。米comScoreの調査によると、米国における端末メーカーのシェアはMotorolaがトップで24%、次いでLG Electronics(22%)、サムスン電子(21%)。ただし、Motorolaは徐々にシェアを落としている状態だ。
一方、英mobileSQUAREDの調査によると、英国ではNokiaが38%と大きなシェアを持ち、これにサムスン電子(20%)、Sony Ericsson Mobile Communicatoins(14%)が続いている。欧米といっても、国によって、メーカーシェアは大きく異なる。
ただ、どちらもスマートフォンユーザーが増えている。米国では購入端末の18%がスマートフォンであるという。タッチパネルの利用満足度は78.7%と高い。
米国におけるスマートフォンのシェアは15%。そのうち41%をResearch In MotionのBlackBerryが占め、AppleのiPhoneは2位で25%となっている。一方、EUにおけるスマートフォンシェアは20%で、そのうち66%をNokiaのSymbianが占めている。2位はMicrosoftのWindows(14%)、3位がiPhone(12%)だ。
また、スマートフォンユーザーもデバイスによって趣味嗜好に違いがあるという。iPhone・AndroidユーザーはSNSやブログの利用率が高く、iPhoneユーザーは写真撮影、Androidユーザーはビデオ撮影の割合が高い。またiPhoneユーザーはインターネット速度を重視する傾向があるとのことだ。
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