Firefoxに加えられるもう1つの変更は、「Jetpack」と呼ばれる新しいアドオン基盤だ。Mozillaは、この新しいシステムが、プログラマーにとってより容易に使用でき、Firefoxユーザーにとって管理があまり煩雑でない(例えばアドオンのインストールや更新に再起動を必要としない)ものとなることを望んでいる。
しかし、Jetpackの現在のプロトタイプを使うには、まだ多少のプログラミング作業が必要だ。現在Mozillaは、SDKのリリースを通じてその困難を緩和しようとしている。
「われわれは『Jetpack SDK 0.1』の最初のリリース候補をリリースしたところだ」。JetpackチームメンバーのAtul Varma氏は27日、メーリングリストでの発表でこのように述べた。ただし、これはまだ荒削りの段階だ。
「現時点では、このSDKはコマンドラインシェルの使い方を知っている人向けだ。開発ツールがコマンドラインからしか使用できないからだ。われわれは『FlightDeck』というウェブベースの開発環境にも取り組んでいる。これにより、本格的なFirefoxアドオンを共同作業で構築することがいっそう容易になるはずだが、まだ準備は整っていない」(Varma氏)
Jetpackは、概念としてはChromeのウェブテクノロジ機能拡張システムに似ているが、Chromeのシステムは、つい先ごろWindowsに、そしてベータ版としてMac OS XとLinuxに対応したばかりだ。しかしMozillaは、最終的なJetpackプラグインのプロトタイプであるバージョン0.8をリリースしたところで、現在は、Firefoxに実際に組み込まれることが意図されている「Jetpack Reboot」と呼ばれる別のパッケージの準備に取り組んでいる。
アドオンはFirefoxの重要な長所だ。プログラマーたちが数年間にわたって、さまざまなタスクに対する数千のアドオンを作成し、当該機能を望まないユーザーの邪魔になることなく、特定のニーズを持つユーザーがブラウザをカスタマイズできるようにしてきた。またMozillaは、「XUL」と呼ばれる現在のアドオン基盤を、ブラウザの再起動を必要としないようにする取り組みも進めている。
これら3つの要素は、それぞれ個別に見れば、注目すべきものではあっても、Firefoxの運命を大きく上向かせるほどのものではないかもしれない。しかし、それらを総合すれば、Mozillaが現状に慢心しているのではなく、Firefoxの競争力を維持することに専念していることを示している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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