ヤマハは3月1日、同社の新たな音楽技術を披露するイベント「Y2 SPRING 2010」を開催した。ここでは、歌声合成ソフト「VOCALOID(ヴォーカロイド)」の合成エンジンソフトを進化させ、歌うだけでなくしゃべることも可能にした「VOCALOID-flex(ヴォーカロイド フレックス)」のデモが披露された。
VOCALOID-flexは、音の構成や長さ、高さや強さなどを細かく編集できるようにし、人間に近い発話ができるというもの。コナミデジタルエンタテインメントが4月29日に発売する予定の「METAL GEAR SOLID PEACE WALKER(メタルギアソリッドピースウォーカー)」において、人工知能を持つボスキャラクターの音声を制作するツールとして採用されている。
コナミデジタルエンタテインメントによると、女優の菊地由美さんが声を担当しており、菊池さんの声をモーフィングすることでボスキャラの声を作ったという。デモでは元の声と、加工した後の声がそれぞれ披露された。
VOCALOID-flexについて、ヤマハ サウンドテクノロジー開発センター音声グループマネージャーの剣持秀紀氏は「書いた文字列を音声に置き換えるのではなく、感情のこもったしゃべりを実現するのが主な目的。文字を読み上げるというより、『行ってきまーす』のように、歌に近いしゃべりで使われることを考えている」と話す。
METAL GEAR SOLID PEACE WALKERではVOCALOID-flexの技術を生かし、ユーザーが歌詞などを入力すれば音声として自動再生されるようなサービスを検討しているという。VOCALOID-flexをネットに対応させ、サーバ上で音声合成処理をするとのことだ。
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