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ジャストシステム、法人向けに本気の「ATOK」を新発売--コンシューマーイメージを払拭へ

別井貴志(編集部)2010年02月17日 19時04分
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 ジャストシステムは2月17日、これまで以上に法人向け事業を強化していく方針を打ち出し、まずは日本語処理のカテゴリで新商品の日本語入力システム「ATOK CE for Windows」(CEはコーポレートエディションの略、以下ATOK CE)を3月12日から発売する。価格は1ライセンス税別で9000円。

 また、これにあわせて、社内独自用語の変換や表記の統一を支援する「ATOK Business Solution 辞書配信システム5」(ABS辞書配信5)を税別10万円で3月12日より、「ATOK Business Solution 用語管理データベース3」(ABS用語管理3)を税別60万円で5月21日よりそれぞれ発売する。

ライセンス事業部長の植松繁氏 「法人向けを強化していく」と語るライセンス事業部長の植松繁氏

 これまでも同社は、法人向けライセンス商品を手がけてきたが、「ジャストシステムというと、どうしてもコンシューマー向け企業のイメージが強く、今後は法人向け商品やサービスを強化していく」(ライセンス事業部長の植松繁氏)ということで、2009年7月に事業部制に移行して以来の具体的な展開が今回のATOK CEを核とした入力・校正ソリューションといえそうだ。

 実際、これまでの法人向けATOKは、個人向けに提供してきたATOKに、それぞれの企業ニーズを満たすオプション辞書を付与する形で提供してきた。それを、今後はATOK本体を法人向けと個人向けに分けて展開していく。つまり、個人向けATOKは各自がそれぞれ入力、学習していき、利用者本人の利便性を高めるための商品という位置づけになるわけだ。半面、法人向けATOKは、各組織での独自、専門用語といったルールなどを効率的に適用して、組織全体のパフォーマンスを向上させる商品という位置づけになる。

 それでは、新商品の特徴を挙げよう。ATOK CEは、まず管理者用のカスタマイズ機能が充実している。社内や組織で必要なATOKメニューやボタンだけを表示させられるので、操作の教育コストや問い合わせの負荷を軽減できる。また、ATOKプロパティの初期値を管理者側で設定し、ユーザーによる変更を制限することで、不要な操作を抑制させ、英数字は半角で入力するなどのルールを徹底可能だ。Active Directoryを運用している環境なら、社内用のプロパティ設定をグループポリシーとして配布し、設定などを全社や組織ごとに一括で変更することもできる。

 さらに、管理者はATOK CEで実際に入力されている言葉を収集し、その情報から変換辞書に登録すべき言葉や表記ゆれしている言葉を抽出することも可能になっている。

 このように、一括管理できる設定情報を他社製システムと連携させると、たとえば、医者が電子カルテシステムを利用する際、個人IDでログインするときにそのユーザーの設定情報を復元することで、病院内のどの端末を使っても同じ入力環境になるといった使い方ができる。

 このほか「ATOKダイレクト for Excel」を搭載し、Excelファイル内のデータをくし刺しで検索し、変換候補に直接表示させる機能がある。テンプレートのExcelファイルに「検索キー」「確定文字列」「付属情報」を記述しておけば、入力時に直接呼び出せるのだ。住所録や商品一覧、製造部品表などの利用が想定でき、たとえば、製品名を入力するとその型番を表示させるといったことが可能になる。

 ABS辞書配信5は、社内独自用語などを収録したATOK変換辞書や文章校正支援ツール「Just Right!」の校正辞書を一括配信できるシステムだ。通常の入力操作で、社員名から内線番号を検索したり、商品名から価格へ変換したりできるなど、最新情報の検索や共有ツールとしても活用可能だ。また、利用状況分析ツールが強化されたので、辞書の配信されていないユーザーがいるかどうかを把握したり、各ユーザーの打鍵数や確定文字数などの推移をグラフなどで可視化して分析したりできる。

 ABS用語管理3は、ATOKの変換辞書とJust Right!の校正辞書を統合的に管理する。専門用語や社内独自用語などを効率的に追加、修正、削除でき、ATOK CEで収集した言葉をATOK変換辞書にしたり、ABS辞書配信5で新たに搭載した電子辞典部分一致検索用のインデックスファイルを作成したりする。

 このように、ATOK CEを核にしてATOK Business Solution、Just Right!など支援ツールを組み合わせた入力・校正ソリューションを提供することで、企業にとって(1)商品やサービスの品質向上、(2)用語統一による情報リスク管理、(3)入力効率の向上による作業コスト削減、(4)情報共有による社内集合知の活用、などの効果をもたらすとしている。

 今後は、日本語処理だけでなく、さらにセキュリティ、業務アプリケーション、業種特化アプリケーションの商品力も強化していく方針だ。具体的には広島営業所を開設したほか、法人営業の人員増強やパートナーとの連携も深めていくかまえだ。そこで、ジャストシステムが販売するライセンス製品に対して、開発、販売、コンサルティングに協力してもらえるパートナーへの支援プログラム「JL-ビジネスパートナー・プログラム」のサイトも開設した。

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