サイバーエージェントが2009年12月8日に開始したミニブログサービス「Amebaなう」。Twitterに似た機能を備え、今自分が何しているかをリアルタイムにつぶやくサービスだ。2月17日に開催された、一般社団法人ブロードバンド推進協議会(BBA)主催のオンラインゲームやコミュニティに関するイベント「OGC 2010」において、サイバーエージェント 新規事業局局長 アメーバ事業本部ゼネラルマネージャーの長瀬慶重氏が講演し、Amebaなうの利用状況を初めて明かした。また、Amebaの戦略についても語った。
Amebaなうは、サイバーエージェントが運営するオンラインコミュニティサービス「Ameba」の1つという位置づけ。ここには芸能人ブログなどで知られるアメーバブログ(アメブロ)も含まれる。Amebaユーザーに“つぶやき”の文化を広げることを目指したといい、「Twitterの機能に極めて酷似しているが、必要最低限の機能だけに絞っている」と長瀬氏は話す。
このため、サイバーエージェントではアメブロ同様、Amebaなうについても芸能人や有名人に積極的に利用するよう呼びかけている。長瀬氏によると、Amebaなうを利用している芸能人や有名人は1800人。「使っている芸能人や有名人は、まだAmebaなうをどう使ってよいかと手探りしている状況。『こう使って下さい、こうコミュニケーションをとってください』という教育をしているフェーズだ」といい、アメブロほどアクティブに使われている状況ではないそうだ。
ただ、「(タレントの)辻(希美)さんがAmebaなうに投稿したらすごいアクセスが来た。一般ユーザーはタレントのつぶやきに興味があるというのは肌で感じている」とも語る。一言もAmebaなうでつぶやいていない芸能人アカウントであっても、フォロー数は多いという。
そこで1月には、アメブロのモバイルサイトの上部に、そのブロガーがAmebaなうでつぶやいた投稿がティッカーで表示されるようにした。「1日に何度もブログを更新するタレントは少ない。ブログトップを見に行っても、更新されていないということで離れていくユーザーが多かった。ブログとは時間軸の違うAmebaなうを併存させることで、そのタレントが今何をしているかというのがわかれば見る人も面白いし、投稿する人も『こういうふうに使えば良いのか』とわかって告知などを書くようになる」。実際、この連携効果でAmebaなうのユーザー数も増えたとのことだ。
Amebaなうの月間投稿者は約23万人、月間投稿数は約500万件。「思ったより順調に推している。アメブロとの連携もあり、前月比20〜40%で伸びている」と手応えを感じている様子だ。
一般ユーザーが多いため、「TwitterのようにITや政治といったつぶやきのコンテンツ自体に魅力があるというよりも、身近な人がつぶやいたことが面白い。逆に、身近じゃない人がつぶやいても面白くない」とし、Twitterとは違うサービスになっていると長瀬氏は強調した。
Ameba全体で見ると、2009年12月末時点で会員数は728万人。ニールセン・オンラインの調査によると、PCからの訪問者数は11月時点で2118万人、モバイルからは1256万人にのぼるという。
やはりサービスの中核はブログだ。Amebaのアクセス数のうち、アメブロの割合は70%。一般ブログが41%、芸能人・有名人ブログ29%という内訳だ。
芸能人、有名人のブロガー数は6000人。全体の月間記事投稿数は2100万件、月間コメント数は3300万件にのぼる。「月次でPC、モバイルともにアクティブブロガーが7〜8%増えている。ブログはまだ成長メディアだ」と長瀬氏は言い切る。
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