このため、ブログを集客エンジンとして活用しながら、ほかの新サービスを育てていくのがサイバーエージェントの基本戦略になる。なかでも現在力を入れているのが、3D仮想空間サービス「アメーバピグ」だ。(1)ユーザーの分身であるアバターを日本のネットユーザーに受け入れられるクリエイティブで作りたい、(2)チャットサービスを現代風に表現したらどんなふうになるか――の2点にこだわって開発したサービスといい、ユーザーがリアルタイムに交流する点が特徴だ。
利用者数は2010年9月期第1四半期(2009年10〜12月)時点で191万人。最大同時接続数は1万5000件に達した。「同時接続数は2000〜3000件あれば万々歳だと思って1年前に始めたが、サービス開始直後から伸びている」とのこと。ユーザーは1人あたり平均で1回60〜70分滞在するといい、月に10回程度利用することから、アクティブユーザーの月間滞在時間は600分と試算する。
アバターアイテムを買うための仮想通貨の売り上げが主な収益源で、課金流通規模は第1四半期で4億1400万円とのこと。ユーザーの80%が20代以上といい、主婦などの利用者が多いようだ。
アメーバピグの利用者が伸びた要因には、ブログとの連携があると長瀬氏は言う。アメーバピグではほかのユーザーと交流した様子などを「写真」として切り取り、アメブロにそのまま投稿できる機能がある。たとえば、ほかのユーザーとお揃いのユニフォームを着て、テレビを見ながらサッカー日本代表の試合を応援した様子などをブログに掲載することで、ブログの読者が「Amebaピグは楽しそう」と感じ、サービスを利用するようになったとのこと。
また、アバターをクリックするとそのユーザーのプロフィールが見られ、そこからブログが読めるようにした。見ず知らずの人といきなりチャットするのは気が引けるが、ブログを読めるようにすることで、相手がどんな人かがわかり、コミュニケーションを取る敷居が下がったという。
今後は、アメーバピグ同様にアメブロと連携する新サービスを開発する方針だ。モバイルにも注力する方針で、「3〜5月の間に、ソーシャルゲームに近い内容のモバイルサービスをローンチする予定」と長瀬氏は話す。
「日本全体の(高齢者や子どもを除く)9000万人がターゲット。シンプルでわかりやすく、機能が押し付けがましくなく、自然に使ってもらえるサービスの開発に徹することがAmebaらしさだ」とし、ユーザー視点に立ったサービス開発を続けていくとした。
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